2017年11月初旬、台風23号がベトナム中部を直撃しました。これによる死者は100名を超し、11万戸以上の住宅が損壊をこうむりました。台風通過後も雨が続き、被害の拡大、復旧の遅延をもたらしています。
FIDRは現地政府から要請を受け、12月より下記の地域及び内容で被災者への支援を行うこととしました。
死者 (関連死を含む) |
住宅被害 (一部損壊を含む) |
避難者 |
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106人 | 123,300戸 | 24,000人 |
FIDRの事務所所在地であるダナン市および事業地があるクァンナム省ナムチャーミー郡において、避難生活で必要となる石鹸等の衛生物資の配布と衛生啓発活動を行います。また、ナムチャーミー郡チャビン社で、土砂崩れにより移転が必要な1村全世帯(約200世帯)を対象に毛布を配布します。また、12月に実施する調査をもとに、移転が必要となった村の中でも特に貧困世帯を対象とした仮設住宅資材の供給を検討します。
ダナン市ホアバン地区ホアフォン社及びホアクン社の学校(小学校、中学校 等)45校
クァンナム省ナムチャーミー郡チャビン社、チャナム社およびチャバン社(計1,846世帯)
1.石鹸等の衛生物資の配布
2.衛生啓発活動の実施
3.移動を余儀なくされた1村の貧困世帯への仮設住宅資材支援
12月18日から21日にかけて、FIDRベトナム事務所スタッフはクァンナム省ナムチャーミー郡に入り、チャビン社、チャナム社、チャバン社の住民1,800世帯へ石鹸を配布し、チャビン社の住民200世帯へ毛布を配布しました。
この時期ベトナムは雨季に入り例年雨と共に気温も下がりますが、今年は例年に比べて冷え込みが一層厳しく、10度を下回る日も見られました。家屋が倒壊し、ビニールシートを屋根にして雨風や寒さをしのいでいた現地の方々は「これで久しぶりに暖かくして眠ることができる」と、大変喜んでくださいました。
現在FIDRは支援物資の配布と並行してクァンナム省の行政担当者と今後の支援について協議を重ねており、支援物資を提供する他団体とのバランスも考慮しながら必要な支援を行っていけるように進めています。
ダナン市でAPEC首脳会合が開催される直前の11月初め、台風23号がベトナム中部を直撃しました。これによる死者は100名を超し、11万戸以上の住宅が損壊をこうむりました。台風通過後も雨が続き、被害の拡大、復旧の遅延をもたらしています。
FIDRの事務所は無事でしたが、ダナン市西方のホアバン地区は洪水となり、1万戸あまりが浸水被害を受けました。この界隈は衛生状況が悪化し、感染症が広がることが懸念されています。
また、山間部では随所で土砂崩れが発生しました。FIDRが食料生産支援事業を実施しているエリアのひとつであるナムチャーミー郡は特に甚大に被害を受け、道路や水道といったライフラインも、住民の生計基盤である水田も、土砂に押し流されてしまいました。今後も土砂崩れが発生する危険があるため、2つの村は他の地域への移住を余儀なくされました。ここでも避難生活における必要物資の確保と衛生対策が課題となっています。
FIDRは現地政府から要請を受け、上記の地域で被災者への支援を行うこととしました。FIDRベトナム事務所のスタッフは全員一丸となって情報収集、政府との協議、支援物資の調達と搬送手配に取り掛かっています。
現地の詳しい状況とFIDRの支援活動については続報でお伝えいたします。