2022年10月13〜14日にかけて、台風19号「ソンカー」がベトナム中部一帯を直撃し、ダナン市を含む低地エリアが暴風と大雨に見舞われ、甚大な被害を受けました。特にダナン市では高潮とゲリラ豪雨の影響を受けて排水システムが機能不全となり、これまでに類を見ないほどの洪水に見舞われました。また、ダナン市以外の周辺省では大きな被害には至らなかったものの、数多くの土砂崩れが起こりました。
ダナン市中心部では、4,000を超える世帯が浸水被害を受け、20万世帯以上が停電となりました。ダナン市北部および西部地域では特に被害が大きく、短時間のうちに一気に水かさが増し、場所によっては2mを超える洪水が発生しました。交通網が寸断され、帰宅困難になった人もたくさんいました。また特に西部では、土砂崩れや家屋破損も多く発生しました。台風が去り水が引いた後のダナン市内は、道路の破損も著しく、放置された何千台もの車両が溢れました。
FIDRは、ダナン市外務局およびダナン慈善センターから支援要請を受け、詳細調査を進めました。
調査の結果、児童の学習環境が大きく損なわれてしまったものの、支援が少ないことが明らかとなりました。そこでFIDRは、被害の大きかった児童宅への食料と学用品の支援、および、学校や保育園への必要な学習教材支援を実施することとしました。
10月下旬から順次、対象校(園)に訪問し、支援物資の配布を行います。(協力:ダナン外務局およびダナン慈善センター)
支援対象 | 対象数 | 支援内容 |
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1. 被災児童世帯への支援 | 250世帯 | 食料、学用品 |
2. 小学校への支援 | 4校 | 文具、衛生キット、学校教材等 |
3. 保育園への支援 | 2園 | 寝具セット(各園100セット) |
2022年10中旬、強烈な雨風を伴う台風「ソンカー」(日本名は台風19号)がベトナム中部一帯を直撃し、大きな被害をもたらしました。港湾都市のダナン市では、ゲリラ豪雨と高潮に見舞われたことに加え、近年の急速な都市化に対応していない古い下水システムが機能不全となり、記録的な大洪水となりました。
ダナン市外務局およびダナン慈善センターから洪水被災者への支援要請を受け、FIDRは迅速に調査を行いました。この結果、支援が届いていない4つの小学校と2つの保育園およびこれらの学校、保育園に通う子どもがいる貧困世帯333世帯への支援計画を策定し、11月にかけて実施しました。
小学校では、一階にある図書室の被害が大きく、大部分の蔵書が廃棄処分となってしまったため、新しい図書の配備を支援しました。できるだけ早く学習活動を再開できるよう教材や文具も提供しました。保育園には、園児の昼寝に使う寝具や衛生用品などを支援しました。被災世帯への支援では米や調味料など当座の食糧を届けました。
先生たちの中には、被災した学校や保育園を見て、変わり果てた姿にショックを受けた先生も多くいらっしゃいました。FIDRの支援を受けて「私たちのところを見過ごさずに支援をくださり本当に嬉しいです。規模の大きい学校や知名度の高い学校では速やかに復旧が進んでいきますが、私たちのように小さく目立たない保育園や学校を忘れずに対応してくださったFIDRと日本の支援者の皆様に心から感謝します。ご提供いただいた品を大切に、大切に使います」と何度も感謝の言葉を伝えてくださいました。
昨今、世界中で課題となっている気候変動の影響は、脆弱な境遇にある人々や小さなコミュニティーにより重く作用します。これに対処するには「地域力」というレジリエンス(抵抗力)を高めていくことが重要な支援の鍵になるとFIDRは考え、緊急援助に取り組みました。
この度の緊急援助募金にあたたかいご協力をいただきました皆様のおかげで、FIDRは速やかに効果的な支援を行うことができました。深く感謝申し上げます。