PROBLEM
経済的・社会的に
弱い立場から抜け出すことが
できない人々や地域が存在
近年、アジアや中南米の開発途上国は経済成長を遂げています。中には、開発途上国というカテゴリーから脱する国もあります。しかしながら、国全体での経済成長の陰で、国内の貧富の格差が広がっているところも少なくありません。富裕層や都市部の中流階級はさらに豊かになる一方で、貧困層の生活水準はほとんど変わらない、もしくは悪化するという状況にあります。
こうした格差の影響を受けやすい人々は、地方の住民、女性、少数民族、被差別階層などです。とりわけ、貧困層の女性は社会的に抑圧された立場におかれ、自立への糸口をつかむことが難しい状態のままでいるというケースが多くあります。政策として国の経済成長を優先する一方で、社会的に弱い立場にある人々を守る法律や施策が遅れがちになることが大きな要因です。
産業構造別労働人口・GDP構成比
第1次産業(農業等)
第2次産業(製造業等)
第3次産業(サービス業等)
出典:JILAF(2017)
ベトナム、カンボジア、ネパールでは、第1次産業(農業等)に従事する労働者は40%~70%と高い割合を示しています。ただし、第1次産業が生み出す付加価値は低く、第1次産業のGDP構成比はベトナムで17.0%、カンボジアで25.0%、ネパールで12.1%に留まっています。
以下のような状況が、国内の貧富の格差が無くならず、むしろ悪化している原因です。
社会的に弱い立場にある人が、付加価値の高い製造業やサービス業といった第2、3次産業に従事するスキルを身につけられるような職業訓練や、新たな地域産業育成を図ることが重要です。
経済成長が続くベトナムですが、その変化が著しいのは主に沿岸部です。多くの少数民族が暮らす山岳地域は経済発展から取り残されており、格差の拡大が課題となっています。 山岳地域には自然や少数民族の伝統的な技術・文化・価値観がいまだに保たれていることから、FIDRは、それらの地域資源を守りながら活用することで、特色のある産業を育て、住民の力で自らの社会を持続的に発展させていくことができるよう支援をしています。
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