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PROBLEM

救えるはずの幼い命が
失われている

貧困問題にとりくむ上で、「命」に直接関わる保健医療の分野は特に重要です。
国際社会が協力して貧困解消を目指すために掲げる「持続的な開発目標」(SDGs)の17つの目標の3番目に「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」と謳われています。
世界全体でみれば5歳未満でなくなる子どもの割合は1990年の1000人中93名から、2018年には1000人中39名と大きな改善が見られました。しかし、先進国では確実に治療できる病気やけがでも、開発途上国では適切な医療へのアクセスが限られているため、日々多くの子どもが命を落としています。その率は14倍以上におよびます。また、5歳未満児の死亡率も、開発途上国と先進国とでは大きな開きがあります。

5歳未満児
死亡率は日本の7倍以上

「貧困」とひとくちにいっても、開発途上国の人々の生活をとりまく貧しさは、経済的な問題ばかりではありません。病気になっても近くに医者がいない、勉強したくても学校がない、安全な飲み水が手に入らない、自然環境が失われているなど、さまざまな状況が絡みあっています。

5歳未満児死亡率(出生1,000人あたり)

ネパール・カンボジア・ベトナムと東アジア、日本の5歳未満死亡率の比較(出典:WHO(2018))

カンボジア、ベトナム、ネパールというFIDRの活動国における子どもの死亡率は、日本よりとても高いのが現状です。ネパールや日本では1,000人あたりに約3人、つまり、0.3%であるのに対し、ベトナムでは2.1%。カンボジアでは2.8%。ネパールでは3.2%。と、日本よりも7倍から10倍以上もの子どもたちが幼い内に命を落としています。この数値は、日本に中国や韓国を含めた東アジアと比べても高い死亡率です。

限られる医療へのアクセス

高い死亡率の原因の一つは、これらの国々では医療へのアクセスが限られていることです。日本ではすぐに治療できる病気やケガであっても、適切な治療を受けることができず、命を落とすことにつながります。具体的には以下のような状況があり、特に地方部ではその状況が深刻です。

  • 適切な知識・技術をもった医師、看護師、助産師などが不足している
  • 医療施設が近くにない
  • 診療に必要な器材が整っていない
  • 保健衛生に関する人々の理解が不足している

医療従事者数(人口1,000人あたり)

ネパール・カンボジア・ベトナムと東アジア、日本の医療従事者数の比較(出典:World Bank(2018))

日本と比べて医療従事者が圧倒的に少ないのが、これらの国々の医療の現状です。人口1,000人あたり、日本では2.4人の医療従事者がいるのに対し、ベトナムでは0.8人、ネパールでは0.7人、カンボジアでは0.2人となっています。

FIDRの取り組み

子どもの死亡率が東南アジアで最も高い国のひとつとなっているカンボジア。
1970年から20年間あまりにわたる内戦、特に1975年~1979年のポルポト時代の圧政により、医療施設と医療従事者がほとんど失われてしまいました。1980年以降、諸外国の支援を受けて、医師、看護師の養成や医療施設の回復も徐々に進みましたが、専門性が高い小児外科に関しては国際的な支援がありませんでした。
FIDRは、カンボジアで外科系疾患の子どもが迅速かつ適切な診断と治療を受けられるように、国立小児病院(NPH:National Pediatric Hospital)を拠点として、カンボジアの小児外科の医師、看護師の技術訓練を行い、地方にもその効果を広げています。2017年からはクラチェ州を中心にカンボジア北東部への支援に力を入れています。

現在実施中のプロジェクト

  • カンボジア

    カンボジア小児外科支援

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