FIDRのスタッフは多彩です。経歴も能力も様々に異なるメンバーが働いています。しかし、全員に共通するのは、開発途上国で多くの子どもたちが明日の展望を抱けない境遇で暮らしている事実、災害に見舞われた現場で人々が不自由と不安を耐えている事実、そうした問題に正面から向きあうことを自分自身のミッションとしてFIDRを選んだことです。
FIDRのスタッフは支援する側、支援される側という構図にとらわれません。相互の関わりの中で誰もがより良い世界を築く働きに加わることを目指し、「心をあわせ、未来をひらく」というFIDRのスローガンで、いずれの国にいるスタッフも結びついています。そして、FIDRの働きに共感する企業や団体、個人の方々との輪の中で、小さくとも確かな変化を作り出す実感を抱いています。
国際支援を行う団体として、FIDRは必ずしも大きな組織ではありません。しかし、それだけにスタッフ各人が担う仕事の範囲の幅は広く、全体をとらえた働きが要求されます。FIDRでは、規模の大きな団体の1セクションに従事することでは経験しがたいダイナミックな仕事を任されます。
担当業務により重視される技能や経験値はありますが、次の3点はFIDRで働くうえで大切です。
Proactive
外国の貧困問題、あるいは遠くの災害などは、他人事として放置したとしても、すぐに自分が困る事態とはならないでしょう。しかし、当事者に思いをはせ、何とかしたいと感じて自分事としてとらえる、プロアクティブな姿勢が欠かせません。
Hot & Cool
社会基盤が整い、安定した経済活動が営まれる状況下とは異なり、開発途上国や災害に襲われた地域では物事の進展が極めて遅かったり、急に状況が変わったりする場面が少なくありません。そうした中にあっても、スタッフは目標を追う情熱と冷静沈着な思考を併せ持つことが求められます。
Service-minded
困難を克服し、将来につながる発展を作り上げていくのは、現地の人々や行政であり、FIDRのスタッフはその間に入ってサポートするのが任務です。そして日本でも、企業や一般の人々の自発的な協同を期しての舞台裏での働きが大半です。究極的にはFIDRという仲介者の存在が感じられないくらいに自立的な社会の発展が形成されることが理想です。地味な仕事ですが、それだけに日々の業務を丁寧に遂行することが大切であり、そこにスタッフの喜びがあるのです。