カンボジアは、FIDRが社会開発の活動に本格的に取り組むため、1996年にはじめて海外の事務所を開設した国です。
カンボジアは、今から1000年ほど前には、広大な国土で栄華をきわめたクメール王国の文化が栄え、アンコール・ワットをはじめとする多くの壮麗な建造物や精緻な水利施設が作られました。しかし今日、カンボジアはアジア諸国の中でも最も経済発展が立ち遅れた国のひとつになっています。1970年から20年間にわたり続いた内戦が現在にも深刻な影を落としているのです。
とりわけ、1975年から1979年までの3年8カ月間に、恐怖政治により共産主義化を図ったポル・ポト政権は大きな影響を及ぼしています。科学技術や貨幣経済を否定し、強制的な労働による農業で国を興そうとしました。学者、教師、医師などの知識層や商工業者は虐殺の対象となり、それ以外の国民も飢餓や病気により、この期間におよそ170万人、人口の約20%の命が失われたといわれています。
内戦の終結を迎えたのは1991年でした。その後、徐々に政治的な安定は遂げられてきましたが、各分野で活躍するはずの人材を失ってしまったことは、今なおこの国の発展の障害となっています。
FIDRは、特に子どもの命と成長を支えるため、医療や栄養、教育といった分野を中心に活動しています。
国名 | カンボジア王国 |
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首都 | プノンペン |
面積 | 181,035k㎡(日本の1/2弱) |
人口 | 約1,625万人(*1) |
民族 | クメール人(90%)、ベトナム人(5%)、中国人(1%)、その他(4%) |
公用語 | クメール語 |
宗教 | 上座部仏教(90%)、イスラム教(4%)、その他(6%) |
1人あたりGNI | 4,070ドル(日本は44,380ドル)(*2) |
主な産業 | 農業、縫製業、観光 |
人間開発指標順位 | 146位(189か国中)(*3) |
(*1)ユニセフ「世界子供白書2019」(*2)世界銀行「ワールドデータバンク」(2018年)(*3)国連開発計画「人間開発指数2019」
カンボジア栄養教育普及
カンボジア小児外科支援
コンポンレーン郡農村開発
保健衛生
医療
栄養
農業
教育
産業育成