カンボジアの病院で提供される給食は、栄養について全く考慮されていないために、入院患者は必要な栄養を摂取することができず、治療の効果が上がりにくい状況にあります。
アジア諸国の中でも子どもの栄養不良の割合が高いカンボジアでは、栄養の専門家がほとんど存在せず、医科大学をはじめとする教育機関でも栄養学を体系的に教えるということがありません。そのため、医師たちにも患者の治療における食事の重要性への理解は低い状況です。
FIDRが小児外科支援プロジェクトを通じて関わってきた国立小児病院では、2006年まで入院患者が受け取る給食は、1日2回、午前10時にご飯とスープ、午後3時にご飯のみという簡素なものでした。しかも、患者のつきそい家族が調理場まで受け取りに来るシステムで、用意できる給食は患者の3~4割分のみであったため、受け取れなかった患者は外から買ってくるなどしていました。これはこの国の他の国公立病院でも同じです。
日本をはじめとする国々では治療の一環として食事を扱うことはあたりまえとされています。その「あたりまえ」をカンボジアにも定着させる必要があります。
国立小児病院における治療効果の向上のために、患者の栄養状態の改善を図ります。
プノンペン市 カンボジア国立小児病院
2006年度~2013年度
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