経済成長が続くベトナムですが、その変化が著しいのは主に沿岸部です。多くの少数民族が暮らす山岳地域は取り残されており、格差の拡大が課題となっています。
クァンナム省は、豊かな自然環境や2つの世界遺産を有し、世界的に人気の観光地として注目されています。しかし、19の少数民族が暮らす山岳地域は地理的にアクセスしにくく、外部からの支援が少ないため、発展が遅れています。
ここには豊富な自然や少数民族の伝統的な技術・文化・価値観がまだたくさん維持されていることから、それらの地域資源を守りながら、活用することで、特色のある地域開発の可能性が十分にあります。
FIDRは2016年より同省において、独立行政法人国際協力機構(JICA)の「草の根技術協力事業」として「ナムザン郡少数民族地域における住民主体による地域活性化のための人材育成事業」(ナムザン郡地域活性化支援)を実施してきました。地域資源を活用した特産品の開発は活発に進み、国内外に販路を広げています。住民の手による観光開発も着実に評判を呼び、収入増加のみならずカトゥー族をはじめとする少数民族の地位向上にも大きく寄与しました。
これらの成果を高く評価したクァンナム省は、他の郡においても少数民族が主体となる地域産業の促進を目指すこととしました。ナンザン郡での経験を活用して、省内の山岳地域の9郡全体で商品開発、産業連携、官民の支援体制の強化を図りたいとFIDRへの協力を要請しました。
※先行プロジェクトで開発され、少数民族の人々により運営されている「少数民族カトゥー族ツアー(コミュニティー・ベースド・ツーリズム)」のウェブサイトはこちら
クァンナム省において、地域の魅力と資源を活用した持続的な農村産業を促進するための基盤である人材育成、官民支援、マーケティング、後方支援の体制が機能することを目指します。
ベトナム・クァンナム省9郡(タイヤン郡、ドンヤン郡、ナムザン郡、ノンソン郡、フックソン郡、ヒエップドゥック郡、ナムチャーミー郡、バクチャーミー郡、ティエンフック郡)
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