ネパール大地震緊急・復興支援
2015年4月25日(土)、ネパール中部でM7.8の地震が発生しました。その後も余震が続き、5月12日にはM7.3の大きな地震に襲われました。首都カトマンズおよび山間地に甚大な被害が広がっており、死者は8,857名に及び、全半壊家屋は887,822戸と伝えられます(UNOCHA、8月10日時点)。
FIDRが2011年度から地域総合開発事業を実施しているダーディン郡は、震源に近い距離にあり、特に大きな被害を受けた地域のひとつに数えられます。
震災発生時、FIDRネパール事務所の大槻修子所長以下の職員は、ダーディン郡内の山中で業務に従事していました。幸いに職員に被害はなく、安全を確保しつつ周辺地域の状況を確認しました。その結果、75%以上の家屋は全壊または半壊の状況となっていることを把握しました。
(郡政府発表、6月3日時点)
種別 | FIDR事業対象地(4村) | ダーディン郡全域(47村) |
死 者 | 102人 | 732人 |
全半壊家屋 | 23,077戸 | 62,461戸 |
カトマンズ市内
ダーディン郡
ダーディン郡
ネパールは地震国ですが、建物は耐震性の低い構造のため、倒壊が多く発生しました。特に農村部の民家の大半は、柱を持たず土壁やレンガ積みの壁で重い石板(スレート)の屋根を支えているため、押しつぶされるように崩れました。
FIDRは、震災発生の直後からダーディン郡での被災状況の把握と支援のための調査を開始しました。被災した人々には、目下の「食」と「住」を確保することが急務であると判断し、5月上旬に事業対象地の4地区を中心とする地域への支援を開始しました。
今回のダーディン郡における緊急支援活動では、当座の生活を維持確保するための物資配布の活動は1か月ほどで終了し、できるだけ速やかに住民が自力で生活を回復することを後押しする方針としています。畑作や家畜飼育で生計を営む現地の住民にとっては、早く元の生活に戻ることができないと、その後にさらに困窮した状況に陥る危険があるためです。また、大半の学校が大きな被害を受け、子どもたちが授業を受けることができない状況になっているものの、そのための支援が遅れていることから、FIDRは応急的な教育施設の設置および全壊した学校校舎の建設などを中心とする活動に地元住民と行政と力を合わせてとりくみ、早期の復興実現を目指します。
第1フェーズ(緊急対応)
期間: 2015年4月末~8月下旬
対象: ダーディン郡事業対象地4地区(カルテ、クンプール、スナウラバザール、カレリ)
支援内容 | 支援規模 | 実施スケジュール |
食料配布(米15㎏) | 2,600世帯 | 2015年5月6日 |
シェルター設置用防水シートの配布 | 1,800世帯 | 2015年5月7日、5月22日 |
衛生用品(石鹸・消毒剤等)の配布 | 6,000世帯 | 2015年5月19日~25日 |
仮設教室設置支援 | 100教室分 | 2015年7月20日~9月3日 |
ラダ・クリシュナ小学校修復 | 6教室 | 2015年6月~7月中旬 |
第2フェーズ(復興支援)
期間: 2015年9月~2016年
対象: 対象地域:ダーディン郡事業対象4村を中心とする地域
支援内容 | 支援規模 | 実施スケジュール |
崩壊した学校の再建 | ||
地域復興支援(ダーディン郡地域総合開発事業にて実施) | ||
子どもの心身の健康回復支援(ダーディン郡地域総合開発事業にて実施) |