ベトナム中部台風被害緊急援助
2020年10月上旬から11月中旬にかけて、ベトナム中部を計7個の台風が直撃しました。うち3個は、過去20年間には例の無い猛烈な勢力を保ったまま上陸し、洪水、土砂崩れ、河川氾濫、家屋流失・損壊等の甚大な被害をもたらしました。
死者・行方不明者 | 家屋流失 | 家屋損壊 |
243名 | 409,324戸 | 219,356戸 |
※出典:International Federation of Red Cross Red Crescent (2021年1月時点)
FIDRの事業地であるクァンナム省でも約40,000世帯、コントゥム省では約15,000世帯が被害を受けました。
土砂を掻き出す住民
倒壊した家屋
浸水した家財
各地において大きな被害が発生しているのを受け、FIDRは支援活動実施のため各自治体と連絡をとり、被害状況の調査を進めました。
調査の結果、クァンナム省やコントゥム省では、大規模な土砂崩れにより道路は封鎖され、主要な橋も流されているため車両が通ることができず、政府の救助活動も困難を極めたと明らかになりました。さらに、新型コロナウイルスの流行により、人や物資の移動が制限されており、被災地への支援は限定的となっていました。
上記の状況から、FIDRは、3つの段階に分け、緊急復興援助を実施することとしました。
第1フェーズでは、クァンナム省内の2郡およびコントゥム省内の1郡の計3郡において、当面の生活安定のために、食料やハンモック、毛布等を届けます。
第2フェーズでは、初動支援期に道路が寸断されアクセスできなかったクァンナム省内の2郡を対象として、食料や毛布、調理道具を届けます。
これらの支援活動は、各自治体支援担当者および社保健所、女性同盟、青年同盟等の協力の下行います。
第3フェーズでは、クァンナム省及びコントゥム省全域を対象に2021年4月以降約1年かけて、子どもや妊婦、女性らを対象とした、栄養・衛生・感染症予防に関わる支援を行い、コミュニティの再建を後押ししていきます。
第1フェーズ(初動支援期)
期間: 2020年12月上旬
対象: クァンナム省ティエンフック郡(400世帯)、ナムザン郡(300世帯)
コントゥム省ダックグレイ郡 (450世帯)
(計1150世帯)
支援地域 | 支援内容 |
クァンナム省 | 米、魚缶、ハンモック、毛布等の救援物資の配布 |
コントゥム省 | 米、魚缶、ミルク等の救援物資の配布 |
救援物資配布時には、手洗いやマスクの着用など、新型コロナウイルス対策を徹底しました。
繰り返し使える頑丈な袋で支援物資を配布。住民は、その中に食料など支援物資を入れて持ち帰りました。
第2フェーズ(中間期支援期)
期間: 2021年1月中旬~下旬
対象: クァンナム省フックソン郡、ナムチャーミー郡(計2800世帯)
支援地域 | 支援内容 |
クァンナム省 | もち米、油、毛布、鍋等の救援物資の配布 |
支援物資を受け取った住民。台風から2カ月経っても復興は進んでおらず、足元の悪い中、泥だらけになりながら2、3時間かけて受け取り場所に歩いてくる方もいました。
配布された救援物資。家屋が流され、知人の家に身を寄せる家庭も多く、調理器具としてのみならず食器としても使える鍋は住民に大変喜ばれました。
第1フェーズ、第2フェーズの詳しい活動状況は下記をご覧ください。
https://fidr-vietnam-er2020.jimdofree.com/最新支援情報/
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