看護師たちの学び(1):カルテの書き方
国立小児病院(以下、NPH)の外科病棟では、FIDRの支援のもと、毎月一回看護師たちによる院内研修が開催されています。毎回トピックは自分たちで考え、講師や配布資料の準備も看護師がそれぞれ順番に受け持ちます。疾患や薬剤に関する研修では、医師が講師を務めることもあります。
4月の研修では、保健省から新しく導入された患者カルテの記入方法を学びました。私が日本の病院で働いている時でも、患者カルテへの看護記録には時間がかかり、そのために残業することも少なくありませんでした。カンボジアでも、処置や看護を優先するため記録が後回しになり、作業が多くなってしまうことや、サイン漏れや記録内容が不十分であるために医師に注意されたりといったことが問題になっています。
看護記録を正しく記入するためには、看護過程(※)を意識することが大切です。しかし、カンボジアの看護師たちは看護学校で学んだきり、看護過程を活用して仕事をすることがあまりないため、看護過程を考えて仕事することが苦手な人が多いようです。今後は私も研修の講師の一人になり、看護師たちが苦手なことや必要なことを強化していけるようサポートしていきます。
ところで5月の研修のトピックは「おさらい」。一年間の総まとめとしてテストをします!そんなわけで目下、看護師たちの間ではテスト範囲の話で持ちきりです。結果はいかに?!
※看護過程…患者や病人に、可能な限り最良・最善のケアを提供するためにはどのような計画を立て、看護していくのが望ましいかを考え、行動していく一連の思考と行動の流れのこと。看護師自らが医学的根拠に基づいた看護ケアを行うためにも重要なもので、実践するためには、十分な医学、看護の知識は欠かせない。