2つの病棟の看護師たち
今日はFIDRが支援している外科のなかにある、病棟部門と手術棟部門についてお話したいと思います。
日本では、病棟部門と手術棟部門の医療スタッフが手術前後の患者の状態について、情報を報告しあうなど、連携して患者さんへの看護にあたっています。
しかし、ここ国立小児病院の外科の病棟と手術棟は隣同士にあるのに、連携があまり取れていません。手術前後の申し送りをしていないので、患者の観察が出来ていませんし、手術前後に患者を運ぶのは看護師ではなく、保護者かクリーナー(清掃職員)です。これは大きな問題です。国立小児病院における手術前後の看護の向上のため、2つの病棟間の連携が図れるようになることを目指して、新たな取り組みに着手しました。
いつもは病棟の看護師のみを対象としていた研修を、手術棟と合同として3回行いました。「看護過程(※)」や「緊急時に使用する薬剤」といった基礎的なことから、ルカ・ジャパン(FIDRの協力者でもある聖路加国際病院のボランティアグループ)のメンバーにも協力いただき、「日本における看護」をトピックとして取り上げました。研修の際には、看護師同士がディスカッションできる時間を設け、休憩時にはスナックを出して、楽しく会話ができるような雰囲気づくりを心がけました。
※看護過程…患者や病人に、可能な限り最良・最善のケアを提供するためにはどのような計画を立て、看護していくのが望ましいかを考え、行動していく一連の思考と行動の流れのこと。看護師自らが医学的根拠に基づいた看護ケアを行うためにも重要なもので、実践するためには、十分な医学、看護の知識は欠かせない。
研修後、廊下ですれ違うときに笑顔を見せる、話しかけるようになるなど、看護師たちに変化がみられるようになりました。
11月に予定しているアンコール小児病院での研修では、両方の看護師が参加できるよう、研修内容を調整中です。一緒にバスに乗り、ご飯を食べ、研修を受け、休日はアンコール遺跡の観光をして親睦を深め、連携をさらに進められたらと思っています。