地方病院にも小児麻酔の技術を
FIDRではこれまで5年間、カンボジア各地の公立病院に所属する外科医を対象に、小児外科の診療技術の研修をプノンペンの国立小児病院(以下NPH)で進めてきました。研修を終えた医師たちは、それぞれの所属病院に戻り子どもの外科治療にあたっています。
手術に不可欠なのが麻酔。小さな子どもへの麻酔は高い技術が求められます。しかし地方病院には小児麻酔に習熟したスタッフがいないというのが、研修を終えた外科医たちに共通する悩みでした。麻酔をきちんと行うことができれば手術の幅が広がり、治療できる患者の数も増えます。
そこで、FIDRは「地方病院麻酔スタッフに対する小児麻酔研修」を2011年5月30日に開始し、毎年継続して行うことにしました。これはカンボジア初の小児麻酔の公式研修プログラムです。同年11月には第1期生である計7名が規定のカリキュラムを終え修了証書を受け取りました。
地方病院に戻った修了生たちからは、「子どもへの麻酔に以前は大きな困難を感じていたが、現在では難なく遂行できるようになった」、「1歳以下の患者への麻酔を初めて行えるようになった」といった報告が寄せられています。