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宮城大学「リアル・アジア」プログラム ~カトゥー族とのふれあいから得たもの~

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昨年の3月と9月に、宮城大学のグローバル人材育成プロジェクト「リアル・アジア プログラム」の一環として、同大学学生及び先生方あわせて9名(3月)、23名(9月)の方々が、FIDRのプロジェクト「ベトナム少数民族地域活性化のための観光開発」で行われているカトゥー族ツアーにご参加くださいました。

FIDRは、同大学の学生たちに、カトゥー族の暮らす地域を観光地として紹介するだけではなく、国際協力NGOの活動を知ってもらうため、FIDRの国内、海外での活動や、ベトナム社会への貢献、日本人スタッフの支援地での働き方などを紹介しました。

「海外に行くのも初めて」という学生もいましたが、日本の暮らしとは全く異なるカトゥー族の暮らしを尋ね、交流してもらうことを通し、学生たちに、これまで経験したことのない発見や学びが生まれているようです。

※ 「リアル アジア」プログラムについて(宮城大学ウェブサイトへ)
※ 「リアル アジア」参加者の方々によるブログ

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■ 宮城大学「リアル アジア」プログラム引率 副学長 小嶋秀樹教授からのご寄稿文■
「学生からみた「リアル・アジア」: カトゥー族とのふれあいから得たもの」

宮城大学は仙台郊外にある公立大学です。東北という地域に根差しつつ、世界(とくにアジア)に開かれた大学を理念とした比較的小さな大学です。その宮城大学が手づくり感覚で企画・運営している研修旅行が「リアル・アジア」です。学生たちがリアルなアジアを実体験するなかで、その異文化(ちがい)を尊重・理解する心を養い、たとえ言葉が分からなくても互いに通じ合えるという共通性(つながり)を体得することをめざします。いままでにベトナムへの研修旅行(約2週間)を3回実施し、看護学部・事業構想学部・食産業学部から計40名近くの学生が参加しました。

このベトナム研修旅行のハイライトは、FIDRが2001年から取り組んでこられたクァンナム省ナムザン郡の支援プロジェクトについて学び、その活動フィールドを訪問することです。学生たちは、ダナンにあるFIDRベトナム事務所でナムザン郡支援の経緯や、その背景となる格差問題、住民が主体となった地域開発やCBTなどについてレクチャーを受け、その後FIDRの方々とバスに乗ってナムザン郡に暮らすカトゥー族の人々を訪問しました。それぞれの村では村人たちが考えた「おもてなし」で私たちを歓迎してくれます。ヤヤダンス、竹ごはんや伝統食、住まい、そしてカトゥー織の工房と直販所などなど。さまざまな場面で学生たちはカトゥー族の人たちとふれあいながら、お互いの違いを認めつつ、つながりを実感していきました。このような実体験をとおして、学生たちの中に異文化と通じ合えるという自信や学びや人生に対する目標が芽生えたのではないかと、引率教員である私は期待しています。

この研修旅行にご協力いただいたFIDRベトナム事務所の方々に宮城大学を代表して感謝申し上げます。学生たちにとってカトゥー族の人々と交流できたこと、またFIDRの支援事業について学べたことはとても意義深い経験でした。加えて支援プロジェクトを企画・運営し、村人と二人三脚でさまざまな事業を作り上げてきたFIDRの方々と出会えたことは学生たちにとって「社会のために働くこと」の素晴らしさを学ぶ貴重な機会になりました。学生たちが抱いた感謝と憧れの気持ちは、私たち引率教員が想定していた以上に彼ら・彼女らのこれからの学び方・生き方に影響を与えたようです。

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■カトゥー族ツアー参加後のアンケート、寄せられたご意見より■

  • ●「宮城大学がある東北地域は震災でコミュニティがばらばらになってしまったところも多い。今日、カトゥー族の地域を訪れて、共同体の強さを見せつけられた。東北地域のコミュニティの再建のヒントをここから学びたい」
  • ●「カトゥー族に合う前は、言葉が通じないのにどうすればいいんだろうという不安があったけれど、今日、実際に言ってみて、一緒にダンスをしたりして、言葉は通じないけれど、一緒に楽しむことができたと思った。身振り手振りでコミュニケーションをとったりできて嬉しかったし新鮮だった。一番重要なのは笑顔だと思う。」
  • ● 「世界に、こんな素敵な文化をもつ民族があることを身をもって体験することができた。」