キュウリが売れた!
サヴィナさん(19)は、ダーディン郡クンプール地区の山上集落に家族と共に暮らしています。4月7日、自宅の畑で初めて採れた7kgあまりのキュウリを麓の町に売りに行きました。袋いっぱいに詰め込んだキュウリを抱えて、狭く急な山道をくだり、長いつり橋を渡ると、作物を買い取ってくれる店があります。彼女にとっては慣れた道ですが、少し不安げな様子。初めて売るキュウリが、いくらになるかを案じていたのかもしれません。
彼女の家は昨年、近所の約10世帯とともに共同のため池を作りました。以前は乾季にはまったく作物を育てることができなかった畑ですが、今はため池の水を使ってニンジン、トマト、ジャガイモなど実に様々な野菜を作ることができます。彼女の家のキュウリもそのひとつ。キュウリ栽培は初めてでしたが、みずみずしくおいしそうな実がたくさんできました。「野菜を作るようになって以前とは比べ物にならないほど今の生活は向上しました」と語る彼女に笑みがうかびました。
店の秤で重さをはかられ、彼女が受け取ったお金は225ルピー(約250円)。「きょうだいの教育や、自分の高校の学費のために使いたいと思います」とのことです。
これからもどんどん野菜が収穫できることでしょう。1回の販売で手にするお金は決して多くはありませんが、こうして確実に収入が得られるようになったサヴィナさんにとって、山道の登り降りはかつてよりもいくぶん楽に感じられるようになったでしょうか。