保健ボランティアのための研修を行っています
子供たちの栄養改善に取り組む当プロジェクトでは、6月から11月までの半年間、乳幼児の母親を対象に補完食(※)の調理法を指導しています。各村で開催されている調理指導には毎月延べ2,000人ほどの母親が集まり補完食の作り方を習っています。
母親たちを指導するのは「保健ボランティア」と呼ばれる地域のボランティア普及員。各村から2名ずつが選ばれ、村での予防接種や妊産婦検診では、保健センター職員のサポート役をすることになっています。
FIDRは保健ボランティアの知識向上を目的に公衆衛生や栄養、補完食に関する研修を実施しています。研修では保健ボランティアが住民や母親たちに保健に関する情報を的確に伝えることができるよう、人にわかりやすく伝えるコミュニケーションの仕方や効果的な指導法についても併せて教えています。
そのスキルは補完食の調理指導でもいかんなく発揮されています。忙しい農作業に加え、子供用に特別な食事を準備する習慣がない母親たちに補完食の大切さを理解してもらい、実際に家庭で作ってもらうようにするのは簡単ではありません。
保健ボランティアたちは、調理指導の合間に、栄養に関する疑問に丁寧に答えることで母親の不安を取り除いたり、食材の準備を要領よく終えるコツなどを一緒に紹介して母親の負担を軽減したりとさまざまな工夫をしているようです。こうした取り組みの甲斐もあって、補完食を調理する母親の数が少しずつ増えてきています。
※補完食とは
補完食は生後6ヶ月から2歳までの乳幼児に、母乳だけでは不足しがちな栄養分を補うために与える具入りのお粥。乳幼児の栄養不良の改善に役立つとして、カンボジア保健省の主導のもと全国に広まっています。