普及の担い手として農民リーダーが活躍しています
クァンナム省ナムザン郡にあるラオスとの国境に位置するラ・エー(La Ee)社(※1)とラ・イェー(La Dee)社。この地域に入る場合、社の行政だけではなく、国境警備隊の理解と協力が必要となるほど、道路事情を含めアクセスが大変困難なところです。
現在この2社では、新農法で米の収量増加を期待する社の意向を受け、農民リーダーを中心としたSRI農法(※2)の普及活動が進んでいます。今までのプロジェクト対象地では参加者のほぼ全員が女性でしたが、この2社では参加者に男性の姿も見られます。また、その中には将来村の農民リーダーを担えそうな意欲的な農民たちもいて、将来がとても楽しみな地域です。
ラ・エー社にとっては初めての試みとなったSRI農法による「農民実践学校(村共有の田んぼを利用して、実践によって農法を習得する場)」ですが、社の副委員長の激励を受け、郡農林業普及センター職員の指導の下、参加農民たちは全員SRI農法への挑戦を始めることになりました。
また、SRI農法による2作期目のシーズンとなった3月、ラ・イェー社では新しい村で農民実践学校を開始しました。ここでは、近隣の村の農民リーダーがSRI農法の指導をしています。少数民族カトゥー族が住むこの地域。農民リーダーは農民たちとカトゥー語で会話ができるため、参加者の理解度が高いだけではなく、お互いの心理的距離も近く、意見交換も活発に行われています。
行政だけでは手が届かなかった地域への普及を可能にする農民リーダーの活躍に、ますます期待が寄せられています。