Beautiful Name
「ネパール大地震直後から緊急支援のニーズ調査をはじめ、立て続けに起こる様々な仕事と現地の人々に後押しされながら走り続けた1ヶ月でした。」
ネパール大地震から1ヵ月が経過し、現地人々は復興に向けて少しずつ動き始めています。この1ヵ月間、緊急援助活動に従事している大槻職員より活動中のエピソードが届きました。
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衛生用品を受け取る際に、名簿から自分の名前を探しています
緊急援助で物資を配布する際、私が一番好きな作業があります。それは人々の名前を呼びながら世帯を確認し、配布に進む手続きです。FIDRが物資を配布する際、地域の世帯データを基に配布し、物資を受け取った方にサインか拇印をしていただきます。1日で何百世帯に配布することはざらで、時には1日で千世帯を超える日もあり、地域の人々の協力がなければ決して進めることができない大変な作業です。
作業内容としては、一人ひとりの名前を呼び、前にきて自分の世帯の名前を確認し、受け取りのサインと拇印をするというもの。しかし今回支援をしたダーディン郡内4地区の人口の約半数とされる低カーストの人々は、大半の人がフルネームで呼ばれる経験を余りしていません。そのため自分の名前が呼ばれても気づかない人も多く、その時は周囲の人々に「あなたの番だよ」と手を引っ張られながら促され、恥ずかしそうに、自分の名前を呼ばれたことを嬉しそうに机の前で再度名前を確認していました。中には5回も名前を呼ばれながらも廻りの人々に促されるまで気づかない人もいました。
自分の名前を呼ばれ、自分の名前がリストにしっかり記載されていることに誇りを持ち、何度も自分の名前を指でなぞりながらサインや拇印をするその姿は、自分の名前が呼ばれることで、自分の存在を認められているという証しであることを感じる瞬間なのかもしれません。
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