20年間のプロジェクトの成果をまとめた動画を制作しました
1996年にカンボジア国立小児病院(NPH)を事業地として始まった本プロジェクトは、第4フェーズの最終年度を迎えています。そこで、この20年間のプロジェクトの成果をまとめた動画を制作するため、NPH外科・麻酔科の職員らにインタビューを行いました。
インタビューでは、多くのNPH職員が、プロジェクト開始時から現在までのNPH外科部門における医療の向上について振り返って話をしてくれました。中でも印象的だったのは、NPH外科部長ヴッティ医師が、プロジェクトを通じて遂げた大きな変化として「(プロジェクト開始時は)教えてもらう立場だった自分たちカンボジア人医師が、今では教える立場になった」と語ったことです。
プロジェクト開始時、外科部門を持たなかったNPHは、FIDRの支援による施設・機材配備や人材育成により、今では、全国の医師や看護師に対して小児外科や小児麻酔に関する研修を実施するなど、この国の小児外科医療において主導的な役割を果たすまでになりました。ヴッティ医師のコメントからは、プロジェクトと共に、NPH外科部門をリードしてきた者としての、誇りと自負が感じられました。
インタビューを通して、本プロジェクトの最大の成果は、NPHの医師をはじめ小児外科医療に従事する医療者を育てたこと、そして彼らが、「自分こそがカンボジアにおける小児外科医療の発展の担い手である」という意識を持つようになったことだと感じました。