本格的な復興への一歩 学校建設が始まります
校舎建設予定のスナウラバザール地区スナカンニャ小学校での話し合いのようす
昨年4月に発生したネパール大地震からまもなく1年が経とうとしています。FIDRはこれまで、仮設教室の設置や校舎の修繕を通し教育環境の回復に努めてきました。今後は、復興支援の要として、小学校の校舎建設を行います。
対象となるのはダーディン郡内の5つの小学校です。
いずれの小学校も、郡都であるダーディンベシから自動車1台がやっと通れるほどの山道を1~2時間かけてたどり着く場所にあり、途中で山崩れがあったりするほか、雨季が本格化する8月頃からは車での通行が極めて困難になります。
従来型の校舎は、鉄筋の柱は無く厚い石壁でできており、見た目は重厚感があります。しかし地震に対してはあまり強くなかったため、ダーディン郡内でも軒並み崩壊しました。
今回FIDRが建設する校舎は、柱や梁にはすべて鉄筋を入れ、1棟のサイズを従来よりも小さくすることで崩壊しにくい建物とします。また、通気性や採光性も十分に考慮します。
2月8日、5校のうちの一つ、ガウリシャンカー小学校で、教諭と住民代表の20人ほどと話し合いの場を持ちました。カーストの底辺に置かれる世帯が多い地域にあるため、現地政府や国際援助機関の支援対象校には含まれていませんでした。FIDRは、96名の児童のために、6教室の校舎建設を予定しています。
住民代表の一人であったビンダさんは、今度の校舎建設に特に意欲的です。彼女の3人の子どもはすでに小学校を卒業したものの、村は子どもたちのために、責任をもって学校を用意してあげなければならないといいます。
「だって学校は子どもたちに『目を開かせる』場所なのですから。私自身は子どものころに学校に通うことは許されませんでしたので(注:カースト差別のため)、なおさら学校の大切さを感じているんです。」
地理的、社会的に厳しい状況に置かれる人々を襲った震災。FIDRは校舎の建設を、単に災害からの回復という目的で捉えるのではなく、コミュニティーが経済的にも社会的にも地位を高め、発展し続ける仕組みをつくるという意図で臨みます。
工事は3月から開始し、7月頃より順次竣工する見込みです。
仮設教室で勉強するネパール ガウリシャンカー小学校の子どもたち
ネパール ガウリシャンカー小学校
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