ベトナム少数民族地域活性化のための観光開発プロジェクト 終了時評価を実施しました
3月23~24日にかけて、当プロジェクトの終了時評価をクァンナム省ナムザン郡の人民委員会で実施しました。
当プロジェクトは、ベトナム中部ナムザン郡において、少数民族カトゥー族の人々による、伝統や独自の文化・社会・豊富な自然を活用した自立的な観光開発(コミュニティー・ベースド・ツーリズム)を支援する目的で、2012年から4年間にわたり実施してきました。この間、カトゥー族の人々とFIDRは、地域の魅力を体験できる「観光ツアー」を開始し、カトゥー族観光協会を立ち上げて観光客の受け入れ体制を確立したほか、旅行会社とのパートナーシップを構築したり観光ツアーの広報活動を行ったりしてきました。
終了時評価の参加者は、首都ハノイやFIDRが事務所を置く中部の都市ダナン、クァンナム省からの関係者など総勢約80名。ハノイからは、政府関係者をはじめ、ベトナムのカトゥー族研究の第一人者でもある、元国立民族博物館副館長や地域開発・資源専門家、そして協力旅行社等が参加してくださいました。
当日は、ナムザン郡の担当職員等からプロジェクト概要、活動内容とその成果を発表しました。また、当プロジェクトの評価チームリーダーである高寺奎一郎観光開発専門家による評価結果が共有されました。
評価結果によると、まず、プロジェクト開始時から累計すると、延べ1,100人を超える観光客が少数民族カトゥー族の村々を訪れ、文化や生活を体験しました。観光客の国籍は、フランス、アメリカ、オーストラリア、ベトナム及び日本などにわたります。また、観光による地域内の総収入は、この4年間で約400万円を達成し、当プロジェクトの経済的効果の高さが証明されました。それ以上に、この観光開発の取り組みが、カトゥー族の伝統文化の保護を促し、地域住民の一体感や結束力を強め、地域の活性化を促進したことが確認されました。
総じて「当プロジェクトの目標達成度合いは極めて高い」との評価を受け、細かい改善点は残るものの、期待以上の成果を得ることができました。