村をきれいにしよう!
11月上旬、乾季の強い日差しの下、『清潔に暮らそう・清潔な食事をしよう・清潔な水を飲もう』というスローガンのもと、ここコンポンチュナン州ではコミュニティの衛生状態の改善を目指した村の清掃活動が行われました。
カンボジアを訪れたことのある方はご存知かもしれませんが、カンボジアのゴミ事情は決して良いとは言えません。家庭でのゴミの管理や分別はほとんどされておらず、地域の清掃活動もありません。村を歩けば道端や家の庭など至るところにプラスチックの菓子袋やビニール袋、空になったペットボトルなどが放置されているのが目につきます。衣食住の衛生状態は人々の健康状態に関わることから、当プロジェクトでは「まず自分たちの村をきれいにすることから始めよう」と村の清掃活動を行うことにしました。
村の清掃活動は、スピーカーを手に持つ村長を先頭に、ゴミ袋を持つ人とゴミ拾い用トングを持つ人で手分けして行われました。一緒に参加した子どもたちも初めての体験に興味津々で、「そこそこ!」と母親たちがゴミを指させば、みんな我先にとこぞってゴミ目がけて走っていきました。すでに土の中に半分埋まってしまっているようなゴミや、水路に溜まったゴミもひとつひとつ回収し、村を一回りする頃にはゴミ袋もずっしりと重たくなり、参加者は汗だくになっていました。
参加者は、「清潔な暮らしをすることが私たちの健康に関わるなんて知らなかった」「今まで村に散乱しているゴミを気にしたことがなかった。でも今日ゴミ拾いをしてみたら気持ちがよかった。帰ったら家も掃除します」と話してくれました。
人の生活習慣を変えることは容易ではありません。村から完全にゴミを減らすには、まだまだ時間がかかるでしょう。ただ、今回集まった参加者たちが見せた、ゴミ集めを終えた時のすがすがしい表情から、よいスタートが切れたのではないかと感じています。
コミュニティの衛生状態の改善を目指して踏み出されたこの一歩が、今後もさらに前に進んでいくよう、引き続きサポートしていきます。