【現地調査レポート】第一報 ロンボク島の被害状況
10月14日から、この度のインドネシア地震で甚大な被害が出ている地域に入り、調査を開始しました。
7月末から8月にかけて発生したロンボク島群発地震は、日本ではあまり報道されていませんが、被害規模は甚大です。現地の人たちによると、インドネシア国内でも被害の実情をメディアが十分伝えていないとのこと。従って、被災者数も公に伝えられているよりもはるかに多いはずと言います。
驚くのは、地震発生から2か月以上たっても、ほとんど何の支援も受けていない被災者が随所に見受けられることです。政府は被災世帯に5000万ルピア(約38万円)を配布すると公表しているものの、実際の動きにはつながっておらず、人々の不満が高まっているようです。しかも、政府推奨の仮設住宅を入手するには、6000万ルピア(約46万円)を支払わなければならず、蓄えもなく職も失った多くの被災者には手が届くものではありません。
結果として今のところ、状況としては壊れた自宅跡にビニールシートや廃材などを使って小屋を拵え避難生活を送っているか、運よく援助団体の提供する仮設住宅に入居できたかのいずれかで、がれきの撤去も全く手つかずの状況では自宅再建などはまだ遠い話です。そして仮設住宅に入ったとしても、政府や現地援助団体が建設した建物は風通しも採光もまったく考えられていないような造りで、とても日中には室内にとどまっていることはできません。皆さん一様に、暑くてかなわないと言います。これからの雨季到来を考えると、通気性は特に重要です。
日本であれば、学校や公民館が避難所として機能しますが、こうした国では、そういう施設がない中、人々はほとんど自力、自己責任で災害を克服しなければならないのが、現状です。