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みんなの病院トイレ 建設計画 ーなぜトイレなのか編ー

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カンボジア小児外科支援事業が活動している、クラチェ州病院。
首都から車で6時間の小さな町にある、地域の大事な病院です。

初めてこの病院に来たときの第一印象は・・・

「絶望的に汚い」。

医療機関なのに、ゴミが至るところに散乱。
水浴びや食器洗いに使う共用の水溜めには覆いもなく直射日光や雨水が注がれて藻が繁茂。
その水は、歯磨きや哺乳瓶の洗浄にも使われる!

特に、老朽化したトイレの汚さは超絶でした。
詰まりによる強烈な汚臭は、病棟まで漂ってきます。
清掃スタッフも手の施しようがないときは、放置されたまま。

患者からは
「トイレが臭くて寝られない・・・でも暑いから窓を閉める訳にもいかない。」という声も。
他にも
・利用者が一つずつ個室のドアを開け、ちょっとでもましな所を選ぶ。
・個室を諦め、トイレの裏で用を足す。
・点滴を吊るす台やフックもないので、付き添い家族がドアの外で点滴を持ち、患者のトイレが終わるのを待っている。

これらは、日常的な光景です。
でも、<この病院ならまた来てもいい>と思ってもらえるでしょうか?

初めのうちは
「それでも使えているのだから今のままでいい」
「トイレより新しい医療機器が優先だ」
と言っていた病院職員たち。

しかし、FIDRが何度も話題に出すものですから
『自分たちの病院は、患者からどう見られているのだろう?』
と、各々がひそかに意識し始めたようです。

徐々に、患者の立場になった発言が出てくるようになり
衛生的な病院にしたい、という声が高まり
遂には、病院側とトイレ改修の合意が得られました。

衝撃の初訪問から丸2年。
いよいよトイレ改善に向けた工事が始まります。
手術室や病棟内での医療行為だけでなく院内環境の良し悪しも、患者の治癒や回復具合に影響します。
水場や炊事場、ゴミ集積場など、治療の舞台から少し離れたところにも病院改善に繋がるヒントはあるはずです。

患者のみなさん、あともう少し!
もう少しで、キレイなトイレが使えますからね。

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