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FIDRフォーラムを開催しました

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1月16日、「<常識はずれ>の農法が支持されるワケ」と題したFIDRフォーラムを開催しました。

「常識はずれの農法」とは、肥料や種籾などの投入を抑えて収量をあげる「SRI農法」。現在、世界50か国以上で実践されているSRI農法は、1983年にマダガスカルで発明されて以来、各国の栽培環境に合せて改良されながら普及が進められています。

FIDRは、カンボジアベトナムにおいて、年に数か月食糧が不足する地域にSRI農法を紹介し、普及に取り組んでいます。

今回のフォーラムでは、2007年に初めて日本にSRI農法を紹介し、国内外でSRI農法の研究や技術指導に携わっているJ-SRI研究会の山路永司代表より「SRI農法はどう進化しているのか」というテーマで基調講演をいただきました。続いて、J-SRI研究会メンバーからインドネシアとラオスでの取り組みについて、FIDRスタッフからカンボジアとベトナムでの取り組みについて事例発表をし、「SRI農法がもたらす効果の多様性」についてパネルディスカッションを行いました。

事例発表では、土地の性質やその他栽培条件を考慮することで、SRI農法の特徴を活かし、収穫高を効率的に上げることができたこと、また、SRI農法により食糧不足が緩和しただけでなく、この農法を住民が学び合う過程で地域の結束力が高まったとことなどが報告されました。

パネルディスカッションでは、「普及する際に困ったことはなかったか」という会場からの質問に、「人手が必要な田植えや収穫期は、ご近所同士が協力するが、これまでの田植えでは、植えた苗の本数で田んぼの所有者からお金をもらうシステムが地域にあったが、SRI農法では苗の本数がぐっと少なくて済んでしまうため、住民の理解を得る努力をした(カンボジア)」や「少数民族の文化では、祈祷師が村で大きな力を持っていて、彼らの支持を得るか得ないかが普及に大きく影響した(ベトナム)」など、国や地域の文化・風土に合わせて普及方法を工夫した努力が共有されました。

フォーラムに参加された方からは、「研究と実践の連携が面白かった」、「SRI農法が地域開発に活用されていることを知って驚いた」、「SRI農法で地域が結束したという社会的効果が面白かった」という感想をいただきました。

【登壇者】(敬称略)
基調講演・モデレーター 山路永司(J-SRI研究会代表)
事例発表・パネルディスカッション(発表順)
     ラオス    佐藤周一(J-SRI研究会幹事)
     インドネシア 鳥山和伸(J-SRI研究会幹事)
     カンボジア  杉田真央(FIDRカンボジア事務所)
     ベトナム   Do Thi My Hoa(FIDRベトナム事務所)
            大槻修子(FIDRベトナム事務所)

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