【第五報】ロンボク島で仮設住宅の設置が進んでいます
完成した仮設住宅の前で。入居者の女性(中央)と設置作業に携わった現地NGOの関係者
ロンボク島でマグニチュード7.0の地震が発生してから、半年が経過しました。今なお、40万人以上といわれる人々が、あたり一面にがれきが残る中、崩れかけた自宅や廃材やビニールシートで作った小屋での生活を続けています。日本で冬にあたる期間は、現地では雨季のさなか。今も時折余震に見舞われ、人々は辛く不安な状況のままにおかれています。
地元の政府や国際社会からの支援は極めて限定的です。ロンボク島地震の後に発生したスラウェシ島の地震と津波の災害では、国際的に大きく報道され、日本政府を含む外国からの支援も多く寄せられたのとは対照的です。
FIDRは、ロンボク島で被災した住民が最も必要としているのは風雨をしのぎ、安眠とプライバシーを得ることができる仮設住宅であると判断し、昨年12月より、現地のNGOと共同で仮設住宅の設置を進めています。これまでに、約25棟が完成し、入居した人々から「風雨がしのげ、快適に過ごせるようになりました」といった声が聞かれています。
設置を進めている仮設住宅は、竹材を用いています。高温多雨の気候ゆえ、通気性が十分にあることが大切です。現地では政府などによりプレハブの仮設住宅も一部で提供されていますが、構造上、開口部が少ないために室内は極めてむし暑く、しかも暗いので、評判は芳しくありません。たとえ一時的な施設だとしても、そこに住まう人たちの利便性と気持ちに配慮し、できる範囲で最善の工夫をしたいと思います。日本の私たちは災害からの復興の経験を重ねてきたからこそ、被災者の立場に立ったきめの細かい対応の重要性を認識しています。今回のロンボク島の災害では、思いを同じくする現地NGOの協力を得ることができ、一人でも多く、1日も早く、元の生活に復帰するための足掛かりを得られるよう努力を続けています。
設置の様子