ネパールの、とある学校の一場面 ~朝礼~
2015年のネパール大地震後に建てられた仮設校舎(シヴァ小中学校)
FIDRが校舎・トイレ建設支援をしている、山間部の学校に通う子どもたち。新校舎が出来るまでの間、仮設の校舎での学校生活についてシリーズでお伝えします。
ネパールの村の多くの学校には校門や構内を囲む塀はありません。標高1800メートルほどの山間部に位置する学校に立ってみていると、子どもたちがあちこちの斜面から登校してきます。
10時前、鐘がなり、一斉に子どもたちが広場にむかって駆け出します。そこでは、上級生が指揮を執り、学年ごとに整列。
次に号令に従い、腕を横や上に上げたり、手拍子をとったり、足踏みをしたり。日本でいう「前へ倣え」のような集団整列の動きをします。
それが一通り終わると、集団の中から子どもがひとり、みんなを見下ろせる崖に駆け上がり、みんなの前で二言、三言を発表。それが、数人繰り返されます。発表者が日にちや曜日などを間違えてしまい、聞いている側から総ツッコミを受けるなど、緊張で張り詰めた雰囲気ではなく、みんなが参加している様子が見ていてほほえましいものです。
再び、「前へ倣え」や足踏みをしたあと、今度は皆が右手を左胸にあてて、歌いだします。日本のように顔を上げて声高らかに歌うのとは違い、中には手をおいた胸に刻み込むように、頭を傾げ、目をつむっている子もいます。これが、ネパール式の国歌斉唱です。
国歌斉唱の次は、爪の検査です。
各学年の一番前の子が、後ろにいる同級生の爪を確認していきます。
その後、小さい学年から順番に列をなしたまま、教室に入り、授業開始です。