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ベトナムで少数民族の織物ネットワークが結成されました

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各民族の特色ある織物で作られた伝統衣装をまとう17グループの代表とFIDRベトナム事務所大槻所長(写真右)

10月11日、ベトナム中部および高原地域の織物ネットワーク設立ワークショップが開催されました。この背景には、FIDRがこれまで支援してきた「カトゥー織」の振興があります。

FIDRは、2008年から4年間かけてベトナム中部クァンナム省ナムザン郡のカトゥー族の女性たちを支援し、失われつつあった伝統織物技術の継承と、織物の商品化に努めました。2011年には、この女性たちが主体となり、クァンナム省として初めて、少数民族による織物協同組合が発足。彼女たちの村は「伝統手工芸村」として登録され、カトゥー織は2014年に国の無形文化財となりました。現在も、カトゥー織を活用した様々な商品を製作・販売し続けており、メディアによってベトナム国内で活動が知られるだけではなく、海外からもカトゥー織のうわさを聞きつけ、訪問する人たちも増えてきました。

ベトナム中部には、織物文化を持つ少数民族がほかにもいます。FIDRはカトゥー族だけでなくそれらの少数民族が共に織物文化を発信するネットワークの構想を呼び掛けたところ、中部高原地域の5省7民族17グループが参加を表明し、この度、中部および高原地域の織物ネットワークが立ち上がりました。その数はまだまだ増える見込みです。

このようなネットワークの創設はベトナム初で、当日は、国立観光開発研究所所長や、文化スポーツ観光省文化遺産局、クァンナム省内の伝統工芸や文化・観光促進に関する各部署担当者らを含め約100人が参加し、少数民族の女性たちの新たな挑戦に大きな期待を示しました。

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織物ネットワーク設立ワークショップ会場の様子。織物文化を持つ少数民族の女性たちが一同に会しました

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会場では、各民族の織物、綿花の木、織物が完成するまでに使用する様々な道具、各民族の紹介バナーなどが展示されました