患者さんに届いた日本人の歌声!ー音楽と医療ー
治療技術や薬の効果だけが患者さんを癒せるのでしょうか?
カンボジアの一般的な病院では、視覚や聴覚によって患者さんの「心」を癒すことはあまり重視されていません。暑い中でベッドに横たわり、蝿を追いやりながらただ黙って天井を見上げて毎日を過ごす...。病院は、病気への不安に耐えるためだけの場ではないはず。
「入院生活に少しでも笑顔を増やしたい」と考えた私たちは、殺伐とした病棟を<音楽>の力で変えるべく、静岡からシンガーソングライター・丸山研二郎さんをクラチェ州病院に招き、初の院内コンサートを開きました。
会場となった外科病棟には、噂を聞きつけた他科の患者さんや子どもたちも集まりました。初めて耳にする日本語の歌、そして丸山さんの透き通る歌声に誰もが釘付けです。最後に、カンボジアでは誰もが知っている『アラピヤ』という曲を丸山さんがクメール語で歌うと、全員が大合唱!涙する女性、体を動かせずとも本当は拍手したいと言う患者さん、はしゃぐ子どもたち。
文化を越えてたくさんの心と心が重なった瞬間に、私たちが目指すべき笑顔溢れる理想の病院像が見えました。