【第一報】ベトナムで新型コロナウイルス感染予防のための緊急支援を実施
中国から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、東南アジア各国にも急速に広がってきました。国連世界保健機構(WHO)の発表によると、3月30日時点の感染者数は約7,300人にのぼりました。
FIDRは事業国のひとつであるベトナムで、3月中旬、感染予防のための緊急支援を実施しました。
ベトナムでは、政府が比較的早い段階から入国制限や学校の休校措置、感染が疑われる人の隔離措置などの策を講じてきたため、確認されている感染者数は179人と、日本などに比べると少ない数にとどまっています。しかし、国内でのウイルス検査や治療の体制が十分には整っていないうえ、出稼ぎなどで諸外国にいた人々が大勢帰国することで、さらなる感染拡大の危険性をはらんでいます。
加えて、予防に欠かせない衛生物資の不足は、他国同様に大きな課題となっています。特に、山岳地域では、公的医療機関の対応が困難になってきており、日々の業務に差し支える深刻な状況となりました。
FIDRは、ベトナム中部地域の行政機関から要請をうけ、3月中旬、プロジェクト地であるベトナム中部のコントゥム省およびクァンナム省の山岳地域6郡に対し、アルコール消毒液5リットルボトル500本、石鹸約15,000個、ビニール手袋50,000組などの衛生物資を提供しました。これらの品は、国内でも調達が困難な状況下ながら、FIDRの法人賛助会員である山崎製パン株式会社の海外拠点「ベトナムヤマザキ」(ホーチミン市)のご協力をいただき、現地の業者から速やかに取り寄せることができました。
政府の指令により、国内の移動が大きく制約され、FIDRスタッフも各地へ赴くことが容易ではなくなっていましたが、プロジェクト活動を通じたつながりから、地元に戻っていたスタッフと保健局が連携し、保健所56か所、郡病院6か所、感染症センター8か所の計70の施設に対し、支援物資を滞りなく届けることができました。
各地へ支援物資を出荷する前に確認作業を行うFIDRスタッフ(ダナン市の事務所前にて)
各地で支援物資を受け取り、引き渡しの準備をするFIDRの地元スタッフ(クァンナム省ナムザン郡)
支援物資の引き渡し書の内容確認とサイン(コントゥム省ゴックホイ郡)
スタッフと保健局の連携で、確実に支援物資を配布(クァンナム省タイヤン郡)