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コロナ禍で、新たな可能性をみつけたおじいさんたち

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自慢のペットボトルホルダーを見せてくれるおじいさんたち

世界各地で新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、ベトナムでは当初から厳格な対策を講じたため、これまでに確認された感染者数はわずか300人程度で、死者が一人も出ていません。こうしたことから、政府は4月下旬以降制限措置の緩和を進めてきました。 FIDRも、2月から約3か月にわたって一時停止させていた活動を、5月上旬から再開させました。

2016年から進めてきた当プロジェクトは、今年が最終年度となり、現在、プロジェクトの評価を現地の政府と住民とともに実施しています。評価では、プロジェクトによりどんな影響があったか等を住民から聞き取っていきますが、今回は、住民自主グループの一つであるニッティング(籠あみ)グループのおじいさんたちに伺った話を紹介します。

このグループは、今まで、カトゥー族の村を訪れる観光客にプレゼントする「ウェルカムセット」のペットボトルホルダー等を作ってきました。しかしこの数か月は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、観光ツアーがすべてキャンセルされました。観光客が来なくなり、収入が減っているだろうとFIDRスタッフは心配しましたが、おじいさんたちは笑って語ってくれました。

「実は最近、ペットボトルホルダーやいろんな種類のかごが、村内や近くの村々で売れるようになったんだよ。意外なところにマーケットがあるんだと気づいたよ」 「このプロジェクトを通じて、作った製品の売り方がわかるようになったんだ。研修や会合などに参加する中で、以前はあまり行かなかった近くの村々にもたくさんの知り合いができて、紹介されることも増えたよ。だから、近くの村々でも自分が作った製品が売れるようになって、そこの人たちとのコミュニケーションも増えて、すごく楽しい。時には、買ってくれた人には、歌も歌ってあげてるよ!サービスだな!あはは!観光客が来なくなっても、収入は少しずつだけどちゃんと入っているから大丈夫だよ」

これまでプロジェクトに参加してきた住民たちが、現在のような困難な状況の中でも、自分なりに製品開発やその販売に力を入れ、対応できたのは本当に大きな変化です。 今後も評価を通じて、プロジェクトが住民に及ぼした様々な変化を把握していきます。