クラチェ州の住民への普及・啓発活動として、小児外科支援チームがラジオ放送に出演しました
カンボジアでは、特に、地方の村落では、住民は、病気になったとき、すぐに医療機関へ行かないことが往々にしてあります。村の最寄りの医療機関は保健センターになりますが、保健センターに行く必要性を感じなかったり、より身近な伝統医療に頼ることで受診が遅れてしまうこともあります。小さな子どもの場合、言葉で伝えることができないため、大人が正しい知識を持っていないと手遅れになる場合があります。
小児外科支援プロジェクトでは、子どもたちが手遅れにならずに適切な医療を受けられるように、住民へのラジオによる普及・啓発活動も実施しています。1月29日、FIDR職員2名とクラチェ州病院の外科医師がラジオ(現地のFacebook同時配信・生放送)に出演し、「小児外科疾患の症状」をテーマに話をしました。
州病院のマブ医師は、小児外科の病気で、緊急に治療が必要な場合とそうでない場合、伝統医療に頼って受診が遅れてしまうよくある病気、やけど、骨折、動物による咬み傷などについて説明しました。また、お金がないことで受診を控えてしまう人たちがいることを憂慮して、診察代や手術費がカバーされる貧困者救済基金という制度があること、病院でも診療代や手術費用の免除を検討できることを説明し、「子どもの具合が悪くなったら、とにかく、まずは保健センターに行って下さい。保健センターで治療ができない場合は病院が受け入れることができますからとにかく受診して下さい」と熱心に訴えました。
放送中に、早速視聴者からクラチェ州での小児外科患者の治療を受けられる医療施設や手術を受けられる可能性などの質問が寄せられました。Facebookでの再生回数が放送後1日で800回を超えたことからも住民の関心が高かったことが伺えます。尚、ラジオは1か月間再放送され、FacebookとYou Tubeはアーカイブ配信されます。
写真:向かって左から、当プロジェクト現地事業担当アリウン、クラチェ州病院のマブ医師、当プロジェクト担当ラタナ、後方は、クラチェ州病院の正門写真。