ネパール大地震から6年
4月25日、約9000人が犠牲となった2015年のネパール大地震が発生から6年が経ちました。例年だと地震で亡くなった方々の追悼と防災の啓発活動などを目的とした行事が催されていましたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、今年はオンラインで行われたり、中止となったりした行事が多くありました。
この6年の間に大地震による被害からの復旧と、国のインフラ整備が進んでいます※。
例えば、震災前はカトマンズ市内で最も高い塔で市内を一望できる観光名所であったダラハラ塔。2018年から再建していましたが、2021年4月24日に竣工式が催され、人々は震災からの復興が進んでいることを実感できる日となりました。
大地震によって崩壊したカトマンズにある「ダラハラ塔」
4月24日に行われた竣工式の様子
FIDRは地震が発生した直後に、食糧・物資の緊急援助を行ったあと、被害が大きかったダーディン郡とラメチャップ郡で子どもたちが学ぶ環境を取り戻すための支援を行ってきました。2020年までに2郡で、104の仮設教室を設置し、8校56教室を再建・修繕し、7校でトイレ施設を建設しました。これにより、子どもたちは地震に対して不安を抱かず、安心・安全な環境で学習できるようになりました。
大地震後に学校と地域住民によって建てられた仮設校舎(ラメチャップ郡シヴァ小中学校)
2019年に完成した同校の新校舎
これらの復興支援は、多くの方から寄せられた緊急援助募金や、様々な場所での募金活動によるご支援で成し遂げることができました。心から感謝申し上げます。
※ ネパール復興庁によると、2021年4月現在、被災した人々の9割以上が、政府から補助金を受けて自宅の再建が進んでいるとされています。政府関連施設は9割、教育施設は8割、考古学的遺産・保健施設はそれぞれ5割以上が復旧・再建が完了しました。
(写真)出典:BBC News https://www.bbc.com/news/world-asia-56873438