コロナ治療から外科診療の改善へ Vol.2
クラチェ州病院外科のダラ医師とティアラ看護師は、今回のコロナ患者治療の経験を経て、普段の業務の改善点が見つかったようでした。
コロナ患者の容体の変化は激しいため、24時間体制で治療にあたる必要がありました。医師は朝、昼、晩の決まった時間の回診に加え、症状の変化に応じて患者の元を訪れ、重症患者には1日に10回程訪れることも少なくありませんでした。ダラ医師からは「今までは、患者に呼ばれてから診察していましたが、今後は頻繁に患者の様子を見に行くようにします」と話してくれました。
また、コロナ治療では、看護の仕方も異なります。カンボジアでは一般的に、医師や看護師は治療や薬の投与に専念し、日本と違って入院中の食事や身の回りのことは看護師ではなく患者の家族や保護者が行います。しかし、コロナ治療病棟では保護者の立ち入りが禁止されていたため、保護者ではなく看護師が患者の身の回りのケアも行いました。
ティアラ看護師は今回の経験を活かし、「これまで定期的に行ってきた患者教育では、コロナの予防対策としては、正しい手洗いやマスク着用、ソーシャルディスタンスが主なテーマでした。しかし、コロナ患者の治療にあたっていた際に、糖尿病の持病があり、コロナウイルスに感染して重症化した患者さんがいました。今後の患者教育では、糖尿病を予防する方法や食事についても伝えていきたいです」と語りました。
コロナ患者治療の経験をもとに、病院全体の感染予防対策や衛生状況など院内環境や、医療サービスが改善され、小児を含む外科患者の治療やケアの改善にも活かされていくことが期待されます。 ]
(写真:外科で行われた患者教育の様子)