プロジェクト開始前にベトナムのソンラ省で調査を行いました
FIDRはべトナム北西部のソンラ省で、イオン株式会社が持続可能なコーヒーの調達のために実施している「サステナブル・コーヒー・プロジェクト」に参画しています。
プロジェクトの開始に向けて、FIDRスタッフは初めてソンラ省を訪問し、人々の生活や伝統文化、主要な生計手段である農業、そしてコーヒーの生産や流通などの状況ついて幅広い調査を行いました。
コーヒー栽培の様子
ソンラ省は、ベトナムで最も貧しい省の一つで、首都ハノイから北西に7時間程の距離に位置しています。高原から山岳地に向かう道中で、山々の美しい景観や、杏、梅、マンゴー、リュウガン、そして丘を覆うように栽培されているコーヒーなど多様な農産物が人々を魅了します。この地域では、高地でしか育たず、香りが良くて味わい深い、アラビカ種のカティモールコーヒーも栽培されています。
ソンラ省では、1994年から本格的に政府の補助金によってコーヒー栽培が始まって以来、コーヒー栽培農家の数、栽培面積ともに急激に増加しています。現在、コーヒーの主要産地であるソンラ市、マイソン郡、トゥアンチャウ郡では、ほとんどの住民が自分のコーヒー農園を持っています。
今回の調査で、住民にコーヒーの栽培状況や生活、コミュニティなどについて聞いたところ、家庭の不安定な収入、コーヒーの不安定な価格、異常気象の影響、肥料や農薬の高い費用の投入等の課題を抱えていることが分かりました。彼らは今後、技術や課題をお互いに共有できる場を設け、一緒に状況を改善していきたいと考えています。彼らのユニークな伝統文化を守りつつも、家庭の生活改善や低投入型農業の推進等、人々の生活安定や地域経済の発展に寄与できるよう、FIDRはイオン株式会社と現地の関係者とともに活動を進めていきます。
コーヒー農家との話し合いの様子
この地域のシンボルであるピエウ・スカーフを見せるタイ族の女性(タイ族はソンラ省に暮らしているコーヒー農家の多くを占める少数民族です)