【第六報】ネパールの農村部にコロナウイルス感染症対策のための医療資器材を届けました
世界中で感染が拡大している新型コロナウイルスは、ネパールでも危機的な状況を引き起こしています。2021年4月下旬から隣国インドでの感染急拡大が波及し、ネパールでも感染者数が急増しました。インドや首都カトマンズでのロックダウンにより、生計を立てられなくなった人の多くが地元に戻ったため、それまでほとんど感染者がいなかった農村部にも感染が拡大しました。人口は日本の4 分の1 に満たない国ですが、5 月には新規感染者が9 千人台を記録する日も出ました。その後、感染者の増加は収まってきましたが、9 月下旬でのワクチン接種完了率は2 割にとどまり、予断を許さない状況が続いています。
医療施設が整っていない農村部では、重篤化した患者のみが郡の中心部にある病院へ搬送されて治療を受けることができます。各村には重症化した患者を隔離するセンターが設置されていますが、設備や人材が不十分で対応できる患者数には限りがあります。そのため陽性患者の多くは自宅にて家族の介護のもと療養生活を送り、保健スタッフが集落を巡回して容態を確認しています。
FIDR は現地行政からの要請を受け、ネパール東部にあるソルクンブ郡とオカルドゥンガ郡へ支援すべく準備を進めました。9 月に現地パートナー団体とともに、両郡に設立された隔離センターや集落巡回にて使用する酸素濃縮器、パルスオキシメーター、抗原検査キット、医療従事者用の個人防護用具(PPE)セットを現地に届けました。
支援物資の引き渡しの様子は現地のFM局のニュースで放送され、同社のホームページでも「支援物資はFIDRネパール事務所の前田所長よりオカルドゥンガ郡チサンクガディ村のニシャント・シャルマ村長に引き渡されました。シャルマ氏は、支援していただいた物資は、住民の新型コロナウイルス感染症の治療と感染予防に役に立てたいと語りました」と紹介されました。
多くの個人・法人の皆さまから寄せられた募金のおかげで、この支援活動を行うことができました。皆さまの温かいご支援に、心より感謝申し上げます。
医療資器材の調達にあたっては、直接業者を訪ねて製品の質や在庫を確認しました
支援物資の引き渡しの様子
活動の詳しい報告は下記をご覧ください。
https://fidr.jimdosite.com/最新支援情報/