JICA草の根事業キックオフワークショップが開催されました
FIDRがベトナム中部クァンナム省で行う当プロジェクトは、2022年2月より、「クァンナム省山岳少数民族地域における地域資源を活用した持続的な農村産業促進のための基盤構築事業」として、JICA草の根技術協力(パートナー型)により実施されています。6月2日に、プロジェクトの目標や活動内容を共有するための「キックオフワークショップ」を、クァンナム省人民委員会とFIDRの共同主催で開催しました。
当日は、ベトナム政府やクァンナム省のプロジェクト関係者代表、クァンナム省の対象地域9郡の行政官、地域リーダーや住民など、あわせて120名以上の参加者が会場に集まりました。また、日本のJICA東京センターやJICAベトナム事務所、各種専門家の方々がオンラインで参加しました。
このプロジェクトは、約15年前にFIDRがたった1つの村で実施した伝統織物支援プロジェクトが、ユニーク且つ顕著な成果を生み出したことが始まりでした。クァンナム省ナムザン郡ザラ村で行ったこの小さな種まきが、その後、村の住民主体の観光開発プロジェクトにつながり、観光を軸とした村おこしを通じて収入向上及び地域の自立的発展が実現しました。この観光開発プロジェクトは、そのインパクトをナムザン郡全域に拡げる「地域活性化プロジェクト」へと発展し、今般いよいよクァンナム省丘陵・山岳地の9郡での発展型農村総合開発プロジェクトへと繋がりました。
4年8か月のプロジェクト期間において、クァンナム省全体で、地域の魅力と資源を活かした持続的な農村産業の振興を促進するため、その基盤である人材育成、官民連携、マーケティング、後方支援の体制強化を目指して取り組んでいきます。
新型コロナウイルスの影響で、約2年間、本格的な活動開始が延期となっていた当プロジェクトがやっと始まったことに、キックオフワークショップに参加した方々は大変喜んでいました。「これまでのナムザン郡での経験を他郡にも広げていき、クァンナム省の大切な『人材』と『地域の宝』を活用して、広い地域で多くの成果を生み出していきましょう。そして、クァンナム省のモデルを、さらに他の省にも広げていきましょう」と、現地政府や住民皆で決意を新たにしました。
ワークショップの様子
会場に展示されたナムザン郡の特産品について話す参加者