農民組合、みんなのチカラで販路拡大!
FIDRはカンボジアのコンポンチュナン州で14年間、農家の人々の農業生産性の向上や生活改善を支援してきました。昨年度には2地区で、農家が支え合う土台となる農民組合の設立を支援し、組織の能力強化のためのフォローアップ研修を行ってきました。
今年の1月、首都プノンペンから農林水産省の職員たちが、設立された組合の視察に訪れました。笑顔で迎えた組合員は「農民組合が設立されたおかげで、みんなが農作物を組合に適正価格で販売することができて、収入が増えました」と1年に満たない期間で早くも現れた変化について、自分の言葉で自信を持って語ってくれました。
これまで、生産量が少ない小規模な農家は、単独では仲買人に買い取ってもらうことができず、周辺の市場で直接売っても低価格でしか売れませんでした。組合ができた現在では、農家が作った農作物を組合がまとめて買い上げ、仲買人に販売することも可能となりました。さらに、今年に入って大きな変化もありました。同州では、国連食糧計画(WFP)の支援により一部の学校で給食プログラムが導入されており、これらの学校は毎日大量に食材を購入する必要があります。この組合にも調達先として声がかかり、農作物を販売する大口契約を結ぶことができました。「販路が拡大したことで、収入が安定的になりました」と視察にきた省職員へ嬉しそうに語っていたのが印象的です。
組合員は「今後は会計簿のつけ方や、キャッシュフローの管理をうまくできるようになりたい」とも話していました。FIDRは彼らのマネジメント力やネットワークをさらに高めるための研修を引き続き支援してまいります。