クラスメートはインフルエンサー!学校ゴミをなんとかしよう作戦
ゴミの焼却煙でむせる生徒たち
分別されずにゴミ箱に捨てられています
カンボジアでは、ゴミの問題が深刻化しています。そもそも、ゴミの焼却施設がなく、廃棄物埋立地もほぼ満杯だといわれています。
ゴミを分別する習慣も徹底されておらず、適当に廃棄する人も多いのが現状です。学校でも、ゴミ箱が設置されているにもかかわらず、校庭にゴミが散乱している様子が珍しくありません。
コンポンチャム州にある当プロジェクトのモデル校でも、これまでゴミの分別がされておらず、様々な種類のゴミを敷地内にあるコンクリート製の大きな「ゴミ置き場」に全て集めて一緒に燃やすという方法でゴミが処理されてきました。また、校内でゴミが燃やされることで発生する煙や有害物質による、生徒の健康への影響が懸念されています。
FIDRはこの栄養教育普及プロジェクトで、健康的な生活のためには衛生的な環境も不可欠であることを伝え、学校のゴミ処理の方法を改善するよう学校に働きかけてきました。食事内容やゴミの捨て方など、健康にかかわる子どもの習慣や行動は、子どもを取り巻く親や先生などの大人、また、友達に大きな影響を受けています。逆もしかりで、子どもたちの行動が、友達やその家族へ広がっていくこともあります。そこで、FIDRはモデル校で、子どもたちが主体的に学校のゴミ問題を改善すべく、この問題に一緒に取り組む学生を募集することにしました。
ゴミ問題に取り組む学生募集ポスター
2つの高校で「ゴミ問題の改善に一緒に取り組もう!」と呼びかけたところ、各学校から20名近くの応募があり、その中から約10名が学生グループに選抜されました。
6月には、各学校の学生グループとFIDRスタッフが、キックオフミーティングを行いました。ゲームを通じて交流したほか、ゴミと環境汚染問題について動画で理解を深めたり、話し合ったりしました。国内のゴミの現状について、初めて知ることも多くあったようで、動画を見た後には「ゴミによる環境汚染はとても残念だ」「プラスチックの使用を減らし、学校の環境をきれいにするために、それぞれ水筒やお弁当箱などを持ってくるべき」など、様々な意見が交わされました。
今後、学生グループが学校の衛生環境を改善するためのアクションを起こしていけるよう、FIDRは引き続きサポートしていきます。
カンボジアが抱えるゴミ問題について学ぶ学生たち
ゲームを通じて交流する学生たち
スライセントー高校の学生グループ
フンセンミエンチャイ高校の学生グループ