マザーズ・スペースは、ただのトイレじゃない!「家庭も地域もきれいになったと感じます」
ご近所さんにマザーズ・スペースを紹介するタムさん(左)
FIDRが中部山岳地域のコントゥム省で進めている、トイレ、洗濯、水浴びができる手作り施設「マザーズ・スペース」の設置支援。
この地域では、今も多くの家庭にトイレがなく、洗濯や水浴びをするには川や井戸まで行かなければなりません。衛生環境の悪さから、特に免疫力の弱い子どもたちは病気にかかりやすかったところ、「マザーズ・スペースがその改善につながる」と、設置に意欲的に取り組む世帯がどんどん増えてきたのです。その数は、当プロジェクトの活動が本格開始した昨年度から現在までに、約330世帯にのぼります。
マザーズ・スペースを設置した家庭のお母さんから、次のような喜びの声が上がっています。
リエウさん
「マザーズ・スペースの内部は私がアイディアを出しました。トイレットペーパーや歯磨き粉、洗剤などを置く棚を作ったり、雨よけを作ったりするなど、使いやすいように工夫しました。洗い場ができたので子どものおもちゃやサンダルもきれいに洗うようになり、身の回りを清潔に保てるようになり、とても快適な環境になりました。」
タムさん
「私は自分の経験を共有したり、みんなと一緒に家事や育児のことを話し合うようになりました。昔からとても恥ずかしがり屋で、人前で話すことができませんでしたが、マザーズ・スペースの設置をきっかけに、それが変わったんです。またマザーズ・スペースを通してご近所さんのお役に立てたことが、とても嬉しいです。これまでは、この村にはトイレがなくて、子どもたちが家の周りや道端などあちこちで排泄していました。マザーズ・スペースを設置する家庭が増えたことで、家庭内だけでなく地域全体がきれいになったと感じます。」