地球に優しいコンポスト(堆肥)活用で、コストも削減
コーヒー農家は、年1回(10~12月頃)のコーヒー豆の収穫を終えたあと、来シーズンに向けて木の手入れなど農園の「メンテナンス」をはじめます。当プロジェクトでは、このコーヒー栽培のサイクルにあわせて、さまざまな農業技術研修を行っています。
その一つが、コンポスト(堆肥)の活用についての研修です。
この地域のコーヒー農家の悩みの一つが、農園で必要な肥料や農薬にかかる出費が大きいということ。それが生活を圧迫する一因にもなっています。
コンポストは、自宅で調達できる有機性廃棄物を用いて手軽に費用をかけずにできるため、環境にやさしく、経済的負担にもなりません。
コンポストとして活用できるものには、例えば家庭で出る生ごみや家畜の排泄物だけでなく、コーヒー栽培の過程で出るけれど捨ててしまっているコーヒーチェリーの殻などもあります。それらを土と混ぜ、発酵・完熟するまで置いておくだけでコンポストが出来上がります。
FIDRとパートナーであるタイバック大学が行った農業研修では、コンポストを活用した土づくりの方法を紹介し、農園でそれを実践しました。
研修開始時は「コンポストを作るのは時間と費用も掛かると思っていたので、やってみようという気持ちはなかった」と言っていた農家の方々でしたが、研修後は次のような声があがっています。
「コンポストには、自宅や家畜飼育から出る廃棄物をリサイクル活用できるので、とてもいいことですね。これをまだ知らないご近所さんもいます。稲刈りが済んだ後の籾殻を捨ててしまっているのでもったいないです。このコンポストの技術をぜひ周りの人たちにも教えてあげたいです」
「コンポストをぜひコーヒーの木の栽培や家庭菜園にも使いたいです」
「コーヒーチェリーの殻を活用したコンポストは栄養成分が多く、良い肥やしになると聞いたので、コーヒーの畑だけでなく、他の果実の畑にも使ってみたいです」
研修後は、さっそくコンポストづくりを始める農家がたくさん出てきています。