私たちは4C認証農家!~持続可能なコーヒー栽培のために~
参加者の笑顔がこぼれ、楽しい雰囲気で研修が行われました
FIDRは、ベトナムのソンラ省で、コーヒー農家の生活改善や収入向上に取り組んでいます。
今回は「4C認証」についての農業技術研修をご紹介します。
コーヒーには様々な認証システムがあり、「4C認証」は、コーヒーの持続可能な栽培と加工のための最大の認証システムの一つです。コーヒーサプライチェーン、つまり生産から販売までの一連の過程を一定の基準で持続させるため、独立した第三者(ドイツに拠点をもつ4C Services GmbH)が監査、評価します。「4C」は、”Common Code for the Coffee Community” の4つの頭文字「C」に由来します。
認証の取得者は中間買取業者ですが、評価の対象は一連のコーヒー生産過程であるため、買取業者も農家も、それぞれが基準を満たすため取り組む必要があります。
4C認証では、次のような側面が評価されます。まず、コーヒー栽培が自然環境や生物保護に影響を与えていないかなどの「環境的側面」。次に、生産地で児童労働が強制されていないかなどの「社会的側面」。さらに、買取業者が生産者の収益を考慮した適正な価格で取引しているかなどの「経済的側面」です。
コーヒー豆の買取価格は価格変動の激しい国際市場で決められますが、プロジェクト対象地域の多くの農家は、市場への直接販売手段を持ちません。そのため、中間買取業者によって安価での取引を余儀なくされる農家もいます。また、農家の中には、収入を向上させたいと森林を開墾して農地化する人々もおり、自然環境の破壊につながる可能性があります。
「4C認証」を得た中間業者に買い取ってもらえれば、農家は適正な価格でコーヒー豆を販売できます。また、農家自身もよりサスティナブルな生産方法を実践する必要があるため、「4C認証」が広まることで、環境破壊の解決や防止が期待されます。
今回の「4C認証」研修では、FIDRが作成した教材「私たちは4C 農家!」を、参加した農家全員が読み上げ、認証制度について学びました。また、自分たちの気づきや実践状況を共有しました。この教材では、4C認証の特徴や規定、注意事項を簡潔な言葉でわかりやすく説明し、写真やイラストを入れるなど、読み書きが苦手でも理解できるように工夫しています。
「4C 認証は知っているが、詳細ルールが多いため、実践が難しい」
と農家の方たちは悩んでいましたが、
「とても難しい内容ですが、楽しい共有の場のおかげで、4C 認証への理解が前より深まりました。家族やご近所さんにもぜひシェアしていきたい」
という声が上がりました。
参考資料:https://www.4c-services.org/wp-content/uploads/2021/06/210126-4C-Flyer_JA.pdf