現地で大注目!職業訓練プロジェクトはこんなことやってます
機械を使って真空パックする研修生たち
ベトナムのダナン市は、近年急速な発展を遂げる一方、経済格差が大きくなっています。特に、学歴も職業技術もない女性や若者は、収入が得難く不安定で、昨今の物価上昇による生活費の増大に耐えられなくなっています。
こうした社会的に弱い立場に置かれている人々の生活を向上させるため、FIDRはダナン市からの要請を受けて、2022年8月より、職業訓練を通じた自立支援を開始しました。 現地の福祉団体であるダナン市慈善・チャイルドライツ保護協会と共同で実施しています。
職業訓練では、具体的にどんなことが行われているのでしょうか。
今回は、農産物加工研修をご紹介します。農村部で採れた農産物を、市場で販売できるよう加工したり包装したりするという内容です。
今回の研修は、朝8時半から夕方17時まで、3日間にわたって行われ、5人が参加しました。参加者の中には、シングルマザーや、学校を中退してしまった16歳の少年もいました。指導員と参加者の挨拶から始まり、真空パック用の機械についての説明、農産物の分類方法、重さの量り方、パッキング方法、パッキングした物へのラベルの貼り方、ラッピング方法など、指導員の熱意のこもった指導がなされました。
1日目、参加者は真空パック用の機械の操作に慣れず苦労していましたが、2日目からは、スムーズに使えるようになりました。お互いに励まし合いながら、熱心に作業に取り組んでいる様子が見られました。
白、黒、赤、緑色など、彩り豊かな豆や、干しタケノコがパッキングされ、3日間で豆は230パック、干しタケノコは17パック出来上がりました。
豆の選別と異物除去作業
干しタケノコの計量
最終日には、参加者5人ともに、勤勉さと技能の習得が認められ、訓練終了の証明書を取得しました。証明書を取得すれば、ダナン市慈善・チャイルドライツ保護協会の支援により、研修で学んだことを活かした仕事を得ることができるため、証明書取得者は大喜びでした。
このような職業訓練は、現地では珍しい取り組みだからでしょうか。今回の研修に限らず、現地のテレビ局が何度も取材に訪れています。
報道を見たさつまあげのお店の人から、「うちで働いてもいいよ」と、職業訓練修了生にオファーがやってくるなど、本プロジェクトは注目を浴びています。
訓練修了生たち
現地のテレビ局から取材を受けるダナン市慈善・チャイルドライツ保護協会のスタッフ