子どもと村の未来を育む学校修繕 ~屋根も机も私たちで直します~
一致協力で屋根の葺き替え
雨が降っても、強風が吹いても、暑い陽ざしの日でも、ましてや地震が発生しようとも、自分たちの村の学校の校舎はしっかりと子どもたちを守り、いつでも安心して勉強に専念できる環境を維持してほしい―日本の行政ならばそんな要望に応えられますが、ネパールでは校舎の修復にかかる予算を確保することは難しく、特に山深い村の学校では老朽化した校舎をそのまま使い続けるしかありません。
ソルクンブ郡とオカルドゥンガ郡で実施している地域総合開発プロジェクトは、子どもたちの教育環境の改善が重要なテーマの一つです。自分の子や孫には良い教育を受けさせたいという住民の思いを受け止め、FIDRは村の人々の協働により学校の環境を改善する取り組みを進めています。
プロジェクトの初年度にあたる2022年度は9校の小学校で実施しました。
壊れた屋根の葺き替え、フェンスの設置、ひび割れた壁の補修、机や椅子の製作といった作業を、地元の職人と近隣住民が協力して行うため、FIDRは資材を提供するとともに、人材の調整、進捗管理などを担います。これによって費用を抑えるだけでなく、将来に再び修繕の必要が生じた時も住民が対応できる能力が培われます。保護者や学校関係者からは「子どもたちの成長に繋がる良い支援だ」と喜ばれています。
FIDRの活動に触発されて、生徒や住民の自発的な動きも現れ始め、校庭の整備、美化活動、花壇の設置など、自分たちができるところから取り組んでいます。住民の思いが結実した学校で子どもたちが学業を修め、地域の持続的な発展が築かれます。
屋根の小屋組みから補修
机・椅子を一つずつ手作り
組み立てた机の塗装仕上げ