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スタディツアーのもつチカラ

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スタディツアーに参加したモデル校の先生たちとFIDRスタッフ一同

当プロジェクトでは、活動の一つとして「スタディツアー(Study Tour)」を実施しています。これは、学校の先生が他校を訪れ、実践例を学び、知識や技術を共有し合うものです。

カンボジアの学校では、先生が他校を訪れる機会がとても稀で、学校を超えた先生同士の交流もほとんどありません。また、学校運営にあたっては校長先生が大きな役割を担っており、より良い学校づくりのためには、校長先生の運営力と指導力を高めることも大切です。

そこでFIDRのカンボジア栄養教育普及プロジェクトチームは、先生同士のネットワーク構築や校長先生の能力向上の絶好の機会として、カンボジアでユニークな活動や優れた運営で有名な学校に、モデル校*の先生や校長先生を派遣するスタディツアーを行っています。

スタディツアーは2019年から実施しており、これまでに、シェムリアップ州やカンダール州など、モデル校から離れた場所にある学校を訪問して、様々な事例を学んできました。

今年2月には、モデル校の先生たちに加え、日頃から協働している教育省学校保健局の職員およびモデル校のあるスライセントー郡の教育・青少年・スポーツ局の職員が、スヴァイリエン州の2校を訪問しました。
スタディツアー中、モデル校の先生たちは学校の環境や管理システム、導入技術、教室の装飾だけでなく、快い対応や生徒の舞踊による歓迎などについて大いに称賛していました。

今回のスタディツアーを通して、モデル校の先生たちにとっても、FIDRのスタッフにとっても一番印象に残ったのは、ツアー後に実施した振り返りミーティングでした。このミーティングでは、学校保健局の職員らが、参加した先生たちに対して「自分たちの学校を見直してみてください」と熱心に話しました。同時に、自分たちの学校の手洗い場やトイレ、ゴミ置き場など、掃除が行き届いていないところの写真を改めて見せられた先生たちは、「これではいけない」と強く思い、今まで以上に校内を綺麗にしようという意識が芽生えたようです。
それぞれの学校に戻ってからは、ツアーで見学した学校を参考に、駐車場や校内の売店の整備など、よりよい学校環境づくりに取り組み始めました。また、トイレ掃除が以前より頻繁に行われるようになりました。掃除当番を決めて、生徒が交代で掃除をするようになっています。

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スタディツアー前の校庭。決められた駐輪・駐車スペースはなく、ランダムに駐車されていた

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スタディツアー後の校庭。駐輪・駐車スペースとして活用できるよう校庭の一部に屋根を設けた

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スタディツアー前の売店

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スタディツアー後の売店。既存の売店に代わって、新しく建てられた。コンクリートの壁や床ができ、内側もキッチンらしく整理された。以前は、主にスナック菓子や糖分の多いジュースが売られていたが、糖分や塩分などを控えた手作りのお菓子などが販売されるようになった。

スタディツアー終了後は、その効果を確認するため、教育省学校保健局とFIDRでモデル校のモニタリングを行っています。また教育省と同郡の教育・青少年・スポーツ局は、協力してスタディツアーのフォローアップを行いました。

FIDRは、モデル校がさらなる変化を遂げるまで、これからもサポートしていきます。
将来的には「他校を見学に行く」のではなく、他校からモデル校へ見学に来てもらい、これまでの取り組みや工夫点などを共有できることを目指していきます。また、そうすることでモデル校の先生が新たな学びや自信を得て、よりよい学校づくりができるよう後押ししていきます。

*全国の学校に先駆けて栄養を含む保健の授業を導入し、学校保健活動を実践する、コンポンチャム州の4校(小学校2校、中・高等学校2校)。

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