山岳地の学校で初めての「衛生講習」を行いました
歯磨き練習の様子。歯の模型を使って磨き方を教えます
ネパールの山岳地域で、昨年から保健ポスト職員、保健ボランティア、母親グループを対象に衛生研修を開催してきた経験を活かして、この度事業対象地の15校の小・中学校に通う児童・生徒約1,400人を対象とした衛生講習を開催しました。
講師を務めたのは各学区の保健ポスト職員で、主な内容は口腔衛生+歯磨き練習、正しい手洗い方法、そして婦人衛生(生理)についてです。
初めて学ぶ「歯のこと」に、子どもたちは興味津々。乳歯と永久歯の違いや、虫歯を放っておくとどういったことが起こるのかに、真剣に耳を傾けていました。その後は校庭に出て、歯ブラシを手に正しい歯磨きの仕方を実践しながら学びました。
歯磨きで歯がピカピカに
次に、手洗いについてです。石鹸を使いながらどのような手順で手を洗うのかを学びました。“爪や指の間もこうやって洗うのよ!”と保健ポスト職員たちが丁寧に指導していました。
正しい手洗いの方法を学ぶ
こんなに手がきれいになったよ!
最後に、高学年の女の子を対象に、生理についての講習を行いました。生理の仕組み、生理中は避けた方がよい食べ物や、生理中に推奨されることなどを一つひとつ実生活の例を交えながら教え、最後には生理用ナプキンの使い方・捨て方を実演し、児童も練習しました。
婦人衛生(生理)についての講習を受ける女の子たち
ネパールではいまだ生理がタブー視され、生理に配慮された学校環境が整っていません。今回の講習でも、使用済み生理用ナプキンを捨てる場所が学校にないことが学校との話し合いの中で課題として浮き彫りになりました。
今回の研修は、保健ポスト、学校、地域行政、そしてFIDRの四者が“協働”したことで実現しました。まだまだ始まったばかりですが、今回の講習が、正しい衛生知識の普及、そしてその先にある行動の変化に向けての第一歩となったことを嬉しく思う一方、まだまだ課題がたくさんあることを痛感しました。この経験を糧に、これからもこの地域の人々が“協働”することでより良い未来の実現へと進んでいけるよう、引き続き後押ししていきます。