学校イベントを通して食育を!~その2:アイデアも笑顔も満載!大盛況の当日~
FIDRカンボジア事務所栄養専門家 甲斐 永里
★その1は、こちらからご覧ください。
そして、遂に迎えた、栄養や健康をテーマにした学校イベント「食育の日」当日。
会場のスライセントー中・高等学校には、朝早くから、続々と人が集まり始めました。学校運営委員会のメンバーや保護者のほか、近隣の学校からも、噂を聞いて大勢が駆けつけてくれ、最終的には想定を上回る1000人以上が来場しました。
学校内では、スライセントー中・高等学校を含め4つのモデル校の先生や生徒らが主体となって、栄養や健康をテーマにした様々な催しを行ったり、ブースを出店したりしました。
舞台では、「食の安全」や「よりよい食生活」をテーマにした生徒らによる演劇が上演され、ひときわ来場者の注目を集めました。生徒たちの堂々とした演技を、皆が食い入るように観ていて、途中で大きな笑いも起こり、とても盛り上がりました。演じた生徒たちも、最初は恥ずかしがってなかなか大きな声を出せなかったのが嘘のようでした。
フンセンミエンチャイ中・高等学校の生徒らによる演劇
生徒たちの迫真の演技に見入る観客たち
各ブースは、学校菜園で栽培した野菜の販売、伝統的なカンボジアのお菓子の紹介など、出店者それぞれのアイデアがつまったもので、いずれも大盛況でした。
ごみの分別をゲーム形式で学べるブースは生徒たちに大人気
リサイクル作品を販売するブース
高校対抗のリサイクル作品対決も開催。これはフンセンミエンチャイ高校VSスライセントー高校の対決で、来場した特別ゲストにどちらが良くできてるかを審査・投票してもらいました。気になる結果は・・・引き分けでした!
カンボジアで食べられているおやつの中で、健康的なものをピックアップしたブース。来場者への説明にも熱が入ります!
日本の食べ物を紹介するブースでは、郡山女子大学食物栄養学科の岡部聡子教授と吉田朱里助手のご参加、ご協力のもと、きな粉餅を作って来場者にふるまいました。カンボジアにもお餅に似たお菓子があることから、親しみやすく健康的な食べ物として紹介しました。カンボジアではきな粉は食されていないものの、皆、日本の味に興味津々で大行列ができました。食べやすかったようで「おいしい」と言ってもらえました。
きな粉餅を手作りするFIDR栄養専門家の甲斐、岡部教授、吉田助手(左から)
でき上がったきな粉餅
また会場には、記念写真の撮影コーナーも設置されました。撮影コーナーの展示は、普段はゴミになっているペットボトルやその蓋を使って作られたもの。このほかフォトフレームも用意され、どちらも大好評でした。
カンボジアではFacebookなどのSNSでの口コミが、大きな影響を持っています。来場者が撮影した写真をシェアすることで、このような楽しく健康を考えるイベントがあったこと、また、健康の大切さが広まっていくこともブースの狙いでした。
記念撮影ブースで「ハイチーズ!」
フォトフレームも大人気
会場では、ゴミの分別もできるようになっていました。そして、通常このようなイベントの後は、ゴミが地面に散乱したりしているのですが、今回は担当の学生たちがこまめにゴミ拾いも実施したおかげか、イベント後もほとんどゴミが落ちていませんでした。
教育省からも、学校保健局の局長はじめとして教員への研修を担当してきたトレーナーたち、州や郡の教育行政官らも参加してくださいました。各ブースを見学して回ったり、保健科目の模擬授業を視察されたりして、とても楽しまれたようです。
参加した皆が、笑顔で、とても楽しそうにしている様子が印象深かったです。
ニコニコ笑顔の生徒たち
~その3:今後への期待~ につづく