蛇口をひねれば水が出るという喜び
ネパールの山の中で暮らす人々には、乾季の水不足が大きな課題。
FIDRが2020年にソルクンブ郡ネチャサリャン村を最初に訪れた時も、住民から聞こえてきた悩みごとは水に関するものでした。
飲食に用いる衛生的な水の確保も重要なテーマです。
村に住むジャスマヤ・ライさんはこう語ります。
「ここには小さな川から汲んでくる水が、集落の人たち全員の頼みの綱でした。でも、その川の流れはとても少なくて、みんな水瓶を満たすのにとても時間がかかったんです。私は一人暮らしなので、病気になった時などは本当に辛かったですよ。」
家から離れたところに流れている川まで下りて行って、水瓶に汲んだ重い水を抱えてまた家まで山道を登っていくのはまさに重労働です。そして、水くみはたいてい子どもや女性の仕事とされています。
FIDRはこの村に4万リットルの容量の飲料水タンクを建設し、2月に完成しました。このタンクには水源からパイプで引いた水が常時蓄えられているようになっています。現地行政により、ここから集落の各戸にパイプで配水され、蛇口と水道メーターが備えらました。これにより、水くみという労働から解放されることになりました。
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ライさんは満面の笑顔です。「飲料水タンクと私の家の水道の蛇口ができて、本当にうれしいです。これまで水を汲みに行くために費やした時間を、家事や庭の畑仕事に十分に使うことができます。」
蛇口をひねれば水が出る喜びに満面の笑顔のライさん
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同じ村に住むジュナ・ネワールさんも喜びでいっぱいです。
「前は小さな川から水を汲むのに皆長い時間待たされました。もしこの飲料水タンクができなかったなら、私たちは水不足の生活をさらに何年も耐えなければならなかったことでしょう。おかげさまで水の問題は解決しました。この水は飲み水や生活用水として大切に使っています。本当にありがとうございました。」
蛇口の水で手を洗うネワールさん