東栄町での体験と学びで膨らむ、今後の「地域づくり」への期待
10月30日から11月10日まで、ベトナム・クァンナム省ナムザン郡と愛知県東栄町が「観光まちづくり」を学びあう交流プログラムの一環で、ナムザン郡の行政代表者や少数民族カトゥー族の観光協同組合メンバーらが、東栄町を訪れました。FIDRベトナム事務所スタッフも含めた総勢17名と東栄町の人々は、観光まちづくりに関する学びあいと交流を行いました。
カトゥー族と東栄町の住民との集合写真
ベトナムから参加した一行は、東栄町の地域資源や魅力をみつける「宝探し」を地元の人々と共に行いました。
東栄町を代表する伝統文化といえば、700年以上続き、国から重要無形民俗文化財に指定されている神事「花祭」。毎年11月上旬から1月上旬にかけて町内10ヶ所で「神人和合」「五穀豊穣」「無病息災」を願う約40数種の舞が、夜を徹し盛大に行われます。このダイジェスト版が披露される東栄フェスティバルに参加したり、花祭を保存伝承する花祭会館を訪れたりしました。
花祭会館で花祭の歴史等について説明を伺った一行メンバー
また、東栄町の観光協会が入る複合施設「まちの縁側ぽたび」を起点にした自転車/徒歩ツアーでの町内探索や、洞窟探検を通じて、自然の美しさや、古い家屋、寺院などの景観も堪能し、それらの地域資源を最大限に活かしていく方法やPR手法等も学びました。
さらに、草木染めやチェーンソー・アートを体験したり、ホストファミリー宅に訪問し、日本の農村に暮らす、豊な生活や自然を活かした仕事等に接する機会となりました。
東栄町の人々が、普段の生活からも地元の伝統文化や資源を活かして、地域全体を盛り上げようとする姿が伝わり、一行のメンバーにとって大きな学びとなりました。
草木染め体験に参加したベトナム視察団一行
東栄町の暮らしや自然を体感できる見学ツアー
町の山林資源を活かしたチェーンソー・アートを体験した視察メンバー
一方で、東栄町や近隣の地域の人々にカトゥー族の伝統文化を紹介する機会もありました。年一度の一番大きなイベントである、「東栄フェスティバル」において、カトゥー族の伝統舞踊「トゥン・トゥン・ヤ・ヤ」を披露したほか、イベントの中でカトゥー族織物体験や草木箒づくりの体験コーナーを作り、その製品も販売させていただきました!(一日だけで、すごい売り上げでした!有難うございました!)
他にも、食文化交流会でカトゥー族の伝統料理を振舞い、地域の老若男女の皆さまとともに直接交流することで、相互理解が深まりました。
東栄フェスティバルでカトゥー族の伝統舞踊を披露しました
少数民族の人々らは「東栄町は小さな町ですが、自然景観と人々のおもてなしの心に魅了されました。その『おもてなし精神』をぜひ学びたい」、「東栄フェスティバルでトゥン・トゥン・ヤ・ヤを披露したときに、東栄町の皆さんが一緒に踊ったり、私たちを温かく受け入れたりしてくれたことがとても嬉しかったです。何百年も伝承されている「花祭」みたいに、私たちも伝統文化を守り、次の世代に伝えていきたい」など、多くの気づきや学びを得ることができました。
ベトナム帰国後に、視察団がこれらの学びを活かして活動を展開し、今後ますます活躍していくことが期待されます。
視察研修を通じた学びと発見を町の皆さんに共有する少数民族の人々
東栄町での滞在は6日間と限られたものでしたが、温かく歓迎してくれた東栄町の方々に感謝申し上げます。今後の交流がさらに深まることを願っています。