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お粥に「栄養」という名の彩りを!

貧困率が高いコンポンチュナン州では、栄養不良の子どもの割合が国内でも特に高い状態にあります。その中でも、農村開発プロジェクトを実施しているコンポンレーン郡では、流通している食材の種類や量が限られており、多くの家庭で十分な栄養を摂取することが難しいのが現状です。

こうした状況を改善するため、2歳以下の子どもを持つ母親を対象に栄養豊富な補完食の調理教室を実施しました。多くの家庭で子どもに与えているお粥は白粥、または最も手に入りやすい魚の白身をわずかに加える程度で、栄養摂取が十分とは言えない食生活を送っています。そこで、白粥に野菜を加えるなど、簡単に栄養価を高める工夫を紹介しました。子どもたちも喜んで食べていて、好評です。

それでも当日は、「栄養とは何か?」の説明を終え、いよいよレシピの紹介に入ろうというタイミングで、「あら、もうこんな時間!お昼の準備をしなくちゃ!私、帰るから後で教えてね~」と帰ってしまうお母さんも・・・。もっと早い時間から開催すべきでした。

今後は、各自が食材や調理器具を持ち寄り、自分たちで調理実習を続けられる仕組みを作り、補完食を家庭に定着させていく予定です。

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補完食を頬張る子ども

村のリーダーたちも子どもの健康について理解を深めています。

6か月から5歳までの子どもを対象とした身体測定調査を実施した際に、各地区のキーパーソン(保健センターの職員や村の保健ボランティア、地区のリーダーなど)と、栄養不良や低体重、過体重などの発育の問題について話し合いました。「これまでは下痢や風邪、発熱といった病気の症状にばかり注意を向けていて、栄養不良が子どもの発育に与える影響についてはあまり意識していなかった。今後は各家庭の親へも伝えていきたい」といった声が聞かれました。

このプロジェクトでは、補完食研修のほか、衛生改善を目的としたゴミ拾い活動や、栄養補完と産業創出を目指した「ふりかけ」づくりを進めています。これらの活動を通じて、住民の間に「何かを変えるなら自分から」という意識が少しずつ芽生え始めています。住民の99*が「この村が好き」と答えるほど、地元への愛着が強い地域です。この愛着を生かし、地域行政や住民と連携しながら、健康で安心して暮らせる村づくりを進めていきます。

(*FIDRが実施した2023年ベースライン調査より)

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